言葉は知らなくてもついついやってる「ウェブルーミング」

アメリカの家具メーカーが「ショールーミング」を逆手に取った戦略で好調というニュース。店舗で商品を選んでも、購入するのはタブレットかスマホでね、という販売方法で、店頭にモノを運ぶコストも下がるし在庫が無いので陳列スペースも増えるし沢山陳列したら売り上げも上がった、という成功事例。まあそのニュース自体は「ヨドバシの方がインパクトあったかな」ぐらいにしか思わなかったんですが、気になったのは前半の記述。

「一方、ネットで検索してあらかじめ情報を仕入れてから店頭で買う、ショールーミングと逆の購買行動がウェブルーミングと呼ばれている」

ウェブルーミング……初耳でした。「ウェブルーミングと呼ばれている」ってどこで呼ばれてるの、とググってみると、どうやらアメリカでは3年ぐらい前からそう呼ばれていたみたいですね。「ショールーミング」と比べると日本にはまだうまく輸入されてない言葉のようです。

売り上げに対しての比率はショールーミングよりもウェブルーミングの方が高いとも書かれており、日本でも同じくウェブルーミングが上回っているかは別として、言われてみると確かに「ネットで調べてから店で買う」行為が意外に多いことに気づかされました。

例えば今すぐ必要なものについて、何を買うべきか「モノ」がはっきりしている場合はそのまま目当てのお店に行きますが、そうではなく、どう解決すべきか、という「コト」が先にある場合は、まず解決策をネットで調べます。

我が家の例だと、フローリングが黒ずんでいて、どうやって汚れを落としたら良いのかとネットで検索すると、「激落ちくん」を使った清掃方法が書かれていました。どんな形状のものか、いくらぐらいのものか、ネットショップで確認してからホ―ムセンターへ買いに行きました。ネットで注文して、家で配達待ちをするのも煩わしいし、他にホ―ムセンターで買いたいものもあったので。

また、先日こんなこともありました。子供が使う鉛筆を探そうとAmazonで検索していて、良さそうだな、というものがあったんですが、レビューを読んでると「近くのお店で見たら100円安かったのでそこで買いました」とのコメントが。これぞザ・逆ショールーミングという感じですね。この逆の現象は沢山ありますが、こういうことも少なくなりません。僕が最近体験したのは、スマホ用のミニ三脚を探していた時のこと。娘にOKGOのビデオを観せたらすっかりハマって、「これはこうやって作ってるんだよ」という説明をしているうちに「試しにコマ撮りアニメでも作ってみるか」と思い立ったからなんですが、ネットで調べたところでは使い心地がよく分からない上に結構高くて、どうしようかなと迷いながら頭の片隅においたままある日別の目的でダイソーに行ったら、ミニ三脚がありました。ミニ三脚に付けるスマホ用のホルダーもありました。スマホのイヤホンジャックに挿して使える遠隔シャッターもありました。合計324円(税別)。使用感も、とりあえず子供とコマ撮りして遊ぼう、という用途には全く不満のないレベルでした。

100均はウェブルーミングの受け皿の機能になりやすいですね。何か解決したい問題があって、どうしたら良いかと検索してみると大体知恵袋的なページに辿り着いて、読み進めていると「○○でできますよ」などと書いてあって、その○○をAmazonで検索してカートに入れるんですが、更に色々調べてみると「100均で買える△△を使えば十分ですよ」的な書き込みに遭遇し、結局100均のお店をいくつか回って△△を買う……ということもしばしば。

他にもネットで調べた上で店に行ってから買う、という行動は数限りなくありますが、それはやはりネットが「調べる」ということに関しては店舗の非じゃないので、そりゃまずググるでしょうよ、という意味において、ウェブルーミングがショールーミングを越えるのは、もしかすると当然かも知れません。何せ、ショールーミングには最大の弱点として「配達待ち」がありますから。いくらAmazonが翌日に届けてくれたとしても(現在我が家はPrime Now圏外)、誰もいない時間に来て帰られたら結果としては「別にそんなに早くない」ことになるし、更に再配達の申し込みをしなきゃならないわ指定できる時間は限られててその時間内は買い物にも行けないし風呂にも入れないし二階の自室でレコード聴くのもままならない。正直、こんなことなら近所の店で買えばよかった……と思ったことも何度かありました。やっぱりAmazonの方が圧倒的に安いものが多いし(家電量販店に置いてるものは特に)、ケースバイケースではあるんですが、毎週末午前中を配達待ちで潰されるよりは、毎週末ホ―ムセンターに買い物行く方が楽しいですよね。というか、いつからホームセンターってドラッグストアと雑貨屋とスーパーを兼業するようになったのでしょう。楽し過ぎてフラフラになるまで歩き回ってしまうんですが。そう言えばインテリアショップは雑貨屋と兼業するようになったそうですね。家具は購入するインターバルが長いので雑貨でつなぎ止めるのがその目的らしく、その雑貨が家具と比べて遜色無い利益率を生み出すんだとか。

やはり実店舗は存在するだけでコストがかかるので、ウェブ以上に運営側は必死に工夫しているのかも知れません。ウェブはそれがどこまで出来ているのか。ここ最近、買い物に出かけるのが楽しい身としては、ウェブは「体験」を磨くことを怠ってきたのかもな、という気がします。機能に寄り過ぎたような。大体今VRとか言ってる単なる360°動画って、ぶっちゃけ本気で面白がって見てる人どれだけいるのかしらと思うんですよ。ウェブが打ち出してる「体験」ってまだこのぐらいのことだって言うなら、やっぱりウェブこそがショールームなんだな、ということなんでしょうね。

そして一番完成されたウェブサービスは、Tumblrですよ。

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