「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」を観に行きました

この日はイオンシネマ京都桂川に、「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」を観に行きました。

チケットの半券と入り口で貰ったポストカード

6歳5ヶ月の娘は、ちゃんとした映画館で映画を観るのはこの日が初めて。かく言う僕も久し振りに映画館に来たので、上映前の10分に渡るCM攻撃にポップコーン食べながら辟易してしましました。

そしてお待ちかねの本編。お馴染み20世紀フォックスのロゴとともに流れるテーマ曲がピアノアレンジになってるなと思ったら、モニュメントの下でシュローダーが弾いてました、というニクい演出。

それから後は、とにかく見事なCGのクオリティと演出にひたすら感心するやら興奮するやら。オリジナルの原画のタッチが3Dの映像と絶妙なバランスで融合されていて、最新の映像技術が原作、旧アニメ作品の良さを引き立てながら、今だからこそ可能な表現の次元に至っているという、観ていても、よくもこんなウルトラC級の離れ業が実現できたもんだな、と驚きっぱなしでした。本作と同じくクレイグ・シュルツが脚本を手がけた「スヌーピーと幸せのブランケット」が、力作でありながら「これじゃない感」も漂わせていたのとは大きな違いです。

チャールズ・M・シュルツへのリスペクトが全編に溢れ、エンディングでは、他界して15年経つ氏が今もスクリーンの中で生き続けているようなイメージに胸が熱くなりました。

一方で、初期アニメ作品への敬意も随所に現れ、アニメ第一作のクリスマスソングが合間に挿入されたり、ヴィンス・ガラルディのオリジナルサントラが最新のサントラと違和感無く混ぜ合わされていたり、スヌーピー、ウッドストックの声が、ビル・メレンデスによるお馴染みのあの声をそのまま使っていたり、大人の声はトロンボーンのミュートを開閉したあの音だったり(後期アニメでは、スヌーピーが人間の言葉を(心の中で)喋ったり、大人が画面の中に普通に出てきてちゃんと喋ってたりすることがありました)、かなり初期作品のクオリティを尊重していることが分かります(ダンスシーンはニヤリとさせられましたね)。リランが登場しないのも、その辺りが理由なのでしょうか。

ストーリーとしては、それこそ原作や初期アニメ作品のファンならお馴染みのエピソードを繋ぎ合わせて長編にしているので、意外性や予想を裏切る展開ということは殆ど起こりませんが、それら細かなエピソードをどう繋ぎ合わせ、どう見せるかという演出が見所だったりもするので、過去作品を知っていればいるほど楽しめる映画とも言えるでしょう(フライングエースの戦闘シーンは、これまでのPEANUTS作品ではあり得ない、手に汗握る迫力でした)。

そういう意味でちょっと残念だったのは、全体のストーリーが分かりやす過ぎるぐらい分かりやすいところ。シュルツ氏の原作の魅力は、大人っぽいシュールな笑い、言外に潜む皮肉やペーソス、ジョークが粋だというような、渋いところでクスッと来たりグッと心惹かれたりするようなところだと思うんですが、本作はかなり子供に焦点を絞っているのか、話がかなり説明的で、チャーリーの人物像も「ドジで気が小さいけど妹思いで心優しい少年」としての打ち出しが強過ぎて、「チャーリーってもうちょっとカッコ悪いぐらいの方が魅力的に感じるんだけど……」と思ってしまいます。ラストの赤毛の女の子のセリフも「それ言わなくても分かるよ」ってところを懇切丁寧に長々と話すので、「粋じゃないなぁ」と心の中でつぶやいてしまいました。

実際、僕が行った劇場では英語字幕版の上映が無かったので、子供向けということが前提なんだと思いますが、それにしても説明的だなぁ……と。

監督のインタビューを読んでいたら、今の時代に当時のピーナッツギャングが使っていた辛辣な台詞はキツ過ぎるから和らげたようなことが書かれていましたが、女の子たちが繰り返しチャーリーを罵倒する時に使っていた「この石頭」という台詞、恐らく英語では「blockhead」と言ってるんじゃないですかね……。

とまあ、日本制作のチェブラーシカを観た時のような違和感も無いわけではないですが、それをさっ引いてもこの作品の充実度は他に変え難く、これ観た後で昔のアニメ観たら、恐ろしいほど古さが際立ちました。

2D上映で見たので、次は3D上映を観に行きたいと思います。

小学館集英社プロダクション¥ 4,104

(2015年12月07日現在)
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