cero at BIGCAT (Osaka)

この日はBIGCATceroを観に行きました。

cero_20150705

ceroを観るのはクアトロでのワンマン以来。

本公演のチケット発売が、新作「Obscure-Ride」リリース前で、前回観たライブの素晴らしさから一も二もなくチケットを入手したんですが、後になって新譜を聴いたら期待を下回る微妙な内容だったので、こりゃつまんなかったら途中退場もあり得るな……と思いつつ会場入り。チケットは数日前に完売と出ていたように思いましたが、当日券も出ていました。開演前に角張社長が舞台上で開演前の注意事項を伝える際にソールドアウトしたと言っていたので、当日も売り切ったのでしょう。いずれにしても、満員札止めのBIGCAT。場内禁煙で、ロビーが煙モクモクというのが常のハコですが、客層によるものかさほど煙たくなく、喫煙者はかなり少なかった様子。

BIGCATは音響的には不満もある上、前回観たのがクアトロで抜群のサウンドだったのでそれも心配でしたが、まるで見違えるようなタイトな響きで驚きました。やはりPAのテクニックによるものでしょうが、演奏自体もあの黒く太いグルーヴに磨きをかけていて、サウンド面からバンド全体の上り調子な様子が伺えます。

心配していた新譜からの曲も、録音では綺麗に磨き上げられ過ぎて引っかかりの薄い印象でしたが、ライブではゴツゴツとした歪な岩の塊のように歪さと破壊性を剥き出しにしていて、最早録音物とは別物と言っても過言ではないほどの迫力。更に太く黒くアレンジされた過去の人気曲ともシームレスにつながり、いずれも「今のcero」という、作品とは離れたひとつの表現として存在していました。アルバムでは、やりたいことに表現力が付いてきておらず力不足な印象のあった高城晶平の歌も、ライブではceroの顔として申し分の無いエネルギーを発していて、ライブバンドとしての力量に圧倒されてしまいました。

とは言え、中盤で新譜のメロウな曲が続く辺りから単調さや退屈さも出てきて、前回感じたのと同様の冗長さが拭い切れませんでした。キラーチューン満載の「My Lost City」からの選曲を減らしてまで増やした新曲にライブ映えするものが少ないことが原因だと思いますが、この日もアンコール合わせて2時間半は、かなり長く感じました。

最後に披露した新曲は、リズムにヒネリを効かせた、ベースとドラムスに耳を傾けていると面白いけど、曲自体はキャッチーさが薄く印象が弱い、という、新譜の路線を更に追求したような曲で、もうちょっとどうにかならないのかな、と思ってしまいましたが、これまでもアルバムごとに全く違うアプローチをしてきた彼らなので、次に作品がリリースされる際にはまた新たな切り口を見せてくれるであろうことを期待したいと思います。

カクバリズム

¥ 5,120
(2015年07月06日現在)

5つ星のうち4.6

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