アルタードステイツ 2DAYS・二日目 at MOERADO (Osaka)

この日はMOERADOで行われた、アルタードステイツ 2DAYSの二日目の公演に行って来ました。この日は、一日目とうって変わってゲスト満載のプログラム。来場者も多かったようで、昨日フロアに置かれたテーブルが端に寄せられ、椅子が沢山並べられていました。

アルタードステイツ 2DAYS・二日目

オープニングアクトに、この月にリリースした2ndアルバムが全国で話題沸騰中のgoatが登場。以前観たときはギターが右、サックスが左でしたが、この日は逆になっており、ギターの日野浩志郎はクラシックギター奏者のように足台を使っていました。

MOERADOの音響は、goatのサウンドにbonanzasの凶暴な要素を付加したようで、ドラムスはまるでコンクリートの壁を巨大なハンマーで打ち鳴らすかのようで、ギターとベースはそのコンクリをドリルで掘削するような爆音。それでいて飽和せずにリアルな堅さ・重さを感じさせる存在感もありました。

演奏も、特に前半の新曲たちは息をもつかせぬ緊張感がこれまで以上に漲っていて、その上次の展開にハラハラドキドキするようなコンポーズの妙も感じられる、バンドとしての充実度の高さを感じさせるものでした。12音階を使わない、というルールながら、ハーモニクスがこれまで以上に効果的に使われていたりと、じわりと新たなステップに入っていることも感じさせられました。

その後、転換してアルタードステイツが登場すると、「goatはCDでは聴いてたけど、生で観てますますファンになった。僕らは(goatと)真逆のことをやります(笑)。だってあんなこと出来へん」というような内橋氏のMC。これはgoatにとってかなり嬉しい言葉だったんじゃないでしょうか。

アルタードステイツはこの日、前半は山本精一を迎えての演奏。これは前日の前半を思わせるような、ややスリルに欠けた、安定したセットでした。この日はドラムスが奥へ引っ込み、手前左に山本氏がいたことによるものか、音のバランスは向上し、ナスノ氏のベースもよりはっきりと聴き取ることができました。

後半は山本氏と入れ替わって渕上純子が登場、歌ものにアルタードの3人が伴奏するというもの。ど頭から3人が知らない“大阪の歌”で始まり、泥臭いブルースのように始まる“Top of the World”、渕上氏の声がハマりまくりの“おふくろさん”に“世情”、スローバラードのように仕上がったきゃりーぱみゅぱみゅの曲(僕は彼女の曲は全く知らないので、特に違和感無く聴けましたが、原曲知ってるとどうなんでしょうか)、と、彼女による「前半はルー・リード、そこからテキサス」「段々リバーブがかかっていって最後はサイケに」といった独自の解釈の上に、更に3人が独自の解釈をして、奇妙なポップスに仕上がるという面白さ。濃過ぎる個性のぶつかり合いが、ギリギリでカラオケショーになるのを防いでいるような感じでした。

それが、完全に片足がカラオケショーに入ってしまっていたのは本編最後の“Highway Star”。曲自体が、ロートルのアマチュアバンド的なムードに収斂されがちな上に、他の曲と比べても結構忠実に再現(渕上氏は椅子の上にピアニカを二段に並べてジョン・ロードごっこまでしていました)していて、しかもお客さんの年齢層も結構高かったために、その雰囲気は嫌が応にも増していました。

アンコールではふちふなの“at home”。再び登場の山本氏は「……やっぱやめとくわ(と帰りかける)」「at home苦手やねん(以前山本さんがやれって言ったのに、と訴える渕上氏に)それは他人事やったから……」「こんなことやっててええんかな。日本が大変な時期に……」「(最前列のお客さんに)そこ笑い過ぎ」と彼らしく管を巻き、「めちゃくちゃにしてええかな」と言いながら、そつなく丁寧に伴奏していました。

以上でアルタード2DAYSは終了。正直なところ、6年前とは自分自身の趣向が変わったせいか、あまり素直に入り込むことの出来なかった二日間でした。もし一日目の後半が前半と変わり映えしなかったら二日目は行かなかったかも知れません。それでも二日目はgoatがいなければ内容的にどうだったんだろう……と思わなくもありません。

喫煙率の高さもお客さんの雰囲気も、ちょっと苦手な感じだったなぁ。

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