“いい試聴機”で聴こう! HOPKEN試聴会 Vol.10「皆で選ぶ2014年ベスト」は、超充実の濃厚4時間セットでした

HOPKEN試聴会Vol10

毎年1月に企画している前年のベスト音源をかける試聴会ですが、今回はDJのobocoさん、「ETHIOPIA SPECIAL!!」でもお世話になった吉本秀純さんをお迎えし、お二人の2014年ベストをお話含めてじっくり聴かせてもらいながら、お客さんの音源もかけさせていただく回となりました。

前半のobocoさんコーナーでは、ギリシャの電子音楽人を食ったようなエクスペリメンタルな作品ザンビアのアフロサイケバンドの再発盤、再発もののレゲエなどと共に、中古レコード屋で発掘してきた80年代のAORや、ブックオフの300円コーナーで買い漁ったという「知らない女性シンガーのCD」など好事家好みのマニアックかつ面白過ぎる音源を色々かけていただきました。中でも会場一同悶絶したのが、久石譲本人が歌っている歌ものアルバム。いかにも80年代後半のサウンドプロダクションでアーバンに歌う久石の歌い切れてなさ、壮大な曲でのジブリっぷりに、一同冷静さを欠いてパニックになってしまいました。

中盤では杉本くんと僕、そしてお客さんの持ち込み音源をかけさせていただいたんですが、今回は持って来ていただいた方も多く、内容もジャズ、サンバ、バタヤン、サントラ、mmmとごちゃ混ぜかつ面白いものばかりでしたし、お客さんにもピュアオーディオのサウンドを積極的に楽しんでいただけたようでなによりです。ちなみに杉本くんはFamily Basik「A False Down And Posthumous Notoriety」、ロンリー「楽しいVoid」、伴瀬朝彦「カリハラ」を、僕は赤犬「デラノーチェ北浜」、マイケル・ジャクソン「スリラー(12インチ45回転の高音質盤)」、グレン・グールド「Glenn Gould in Moscow」をかけました。

そして最後は吉本さんコーナー。ベルギー&フランス&インドチェココロンビアカナダサハラインドネシア、そして日本と、一筋縄では行かないストレンジポップによる世界旅行はいずれも凄まじく刺激的かつ新鮮で、一曲ごとに感嘆するやら感心するやら。加えて吉本さんのお話も非常に興味深く、中でも印象的だったのは、タワレコNU茶屋町店のスタッフがKLO PELGAGのアルバムに惚れ込んで店頭で猛プッシュしたら局地的に大ヒットしたらしく、その後NUで売れている状況に後押しされて全国に展開していったというエピソード。実店舗の影響力、そしてそれが関西のいち店舗からでも波を起こせるというポテンシャルを思い知らされるようなお話でした。

途中短い休憩を挟みながらも、4時間強にわたって様々な国の、様々な時代の、様々なジャンルの音楽を、高級オーディオシステムを使ってボーダーレスに聴きまくりました。多分、過去最多の曲数だったのでは無いでしょうか。それに、ここまで色んな視点からのチョイスで(つまり自分には勘所の無い領域のものを)大量に聴くというのもなかなか無いので、もう最初から最後まで面白くて面白くて仕方ありませんでした。タイトルに違わず、「皆で選ぶ2014年ベスト」がやれたのではないかと思います。いやぁ、ほんとに楽しかったなぁ。同じメンツで来週もう一回やりたいぐらい。

最初はポツポツとしかいなかったお客さんも、開演中に入れ替わり立ち替わり結構な数の方が来て下さっていたようでした。最初から最後までいて下さった方々も、お疲れさまでした。

というわけで、新年一発目からエンジン全開でお送りしましたHOPKEN試聴会、次回は3月を予定しております。詳細は後日。スタート当初から温めていた肝いりの企画が、いよいよ始まりそうな予感です。どうぞご期待ください。

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