ドレスデン国立歌劇場室内管弦楽団&森麻季 at ザ・シンフォニーホール (Osaka)

この日はザ・シンフォニーホールで行われた、ソプラノに森麻季をゲストに迎えてのドレスデン国立歌劇場室内管弦楽団の演奏会を観に行きました。

クリスマスツリーが飾られたシンフォニーホールのエントランス

大入りの客席は、中高年、特に女性が多い印象。僕が座った前方左寄りの席では、左右がご婦人、少し離れて若いカップルがいました。

舞台上、3階席、そしてオルガン席に撮影用の立派なカメラが見え、天井からも10本ほどマイクが吊られていましたが、どうやらテレビ放送用に撮影されていた模様。12月のわりにはらしくないプログラムだと思ってチケットを取りましたが、それもそのはず、正月に「ニューイヤーコンサート」として放映する予定なんだとか。

この日のプログラムは以下のとおり。

ディヴェルティメント ニ長調(モーツァルト)
大ミサ ハ短調 より 「ラウダムス・テ」(モーツァルト)
カノン(パッヘルベル)
カンタータ 第74番 「われを愛する者は、わが言葉を守らん」(J.S.バッハ)
オラトリオ 「メサイア」より「シオンの娘たちよ、大いに喜べ」(ヘンデル)
ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調(J.S.バッハ)

〜休憩〜

歌劇「リナルド」より「私を泣かせて下さい」(ヘンデル)
「アヴェ・マリア」(マスカーニ)
フルート協奏曲 第1番 ヘ長調「海の嵐」(ヴィヴァルディ)
歌劇 「魔笛」 より「ああ、愛の喜びは露と消え」(モーツァルト)
歌劇 「羊飼の王さま」 より「彼女を愛そう、生涯変わらずに」(モーツァルト)

〜ソプラノアンコール:
歌劇 「グリゼルダ」 より“2つの風に乱されて”〜

ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調(モーツァルト)

〜アンコール〜

交響曲第45番「告別」第4楽章より(ハイドン)
ふるさと(岡野貞一)

バロックから古典派にわたる作曲家たちの音楽を取り上げた演奏は、幕開けのモーツァルトのディヴェルティメントから端正できめ細やか。楽器同士の息の合った音のかけ合いが実に鮮やかです。

「ラウダムス・テ」で登場した森麻季は、楽団との共演は四度目らしいですが、永年演奏を共にしている強みか、アンサンブルと有機的に溶け合い、余裕を持って優雅に歌い上げます。コロラトゥーラも危うさのかけらもなく見事に決まっていました。

ブランデンブルクの5番を聴くのは今年3度目でしたが、落ち着いてまとまりのある、シンフォニーホールの音響と相俟って自然に空気を震わすような演奏でした。

プログラム後半になるとソプラノは前半の余裕に加えて更に情感深くなり、悲哀や祈りの表情を巧みに表現し、胸に迫る説得力が増していました。過去に何度か生でソプラノを耳にすることはありましたが、この日は改めて、ソプラノという表現形態がひとつの完成された芸術なんだなぁと感動しました。こういうものはやっぱり、技術やスペックの問題ではなく、録音したものではなく生で聴かなくてはね。

フルート協奏曲は初耳でしたが、やや走り気味のフルートの勢いが逆に痛快な演奏でした。

最後のヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲では、ヴァイオリンとヴィオラのあまりの見事なかけ合いに第1楽章の終わりから拍手が上がってしまうほど。楽団は静かな熱気を維持したまま、粒立ちの良い精緻な演奏で第3楽章まで駆け抜けました。

アンコールの「告別」第4楽章では、演奏しながら舞台から楽団員が少しずつ退場して行くという演出。初演当時からあった演出で、当時は楽団員が去るごとに一本ずつろうそくの火を消して行ったらしいですが、この日は楽団員が去り始めると照明が薄暗くなり、最後、二人のヴァイオリニストを残して指揮者が退場するところで演奏は終わり、ホ―ル内はしばし真っ暗に。完全に照明が落ちることはあまりないので、かなり新鮮でした。開演前に「演出の都合上、非常灯を消灯します」とアナウンスがあったのはこのためだったんですね。

ラストは日本人の馴染みの歌「ふるさと」。客電がつき、指揮者がお客さんを煽るように手を後方に振ると、客席からも静かに歌声が上がりました。特に僕の数席後方から聴こえてきたご婦人の歌はなかなか見事なもの。

20分の休憩を合わせると約3時間のボリュームたっぷり、聴き応え満載、サービス満点の素晴らしい演奏会でした。

アヴェ・マリア
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