この日はザ・シンフォニーホールで行われたミュンヘン・バッハ管弦楽団によるブランデンブルク協奏曲全曲演奏会を観に行きました。
演目は以下。
ブランデンブルク協奏曲 第1番
ブランデンブルク協奏曲 第3番
ブランデンブルク協奏曲 第4番
〜休憩〜
ブランデンブルク協奏曲 第6番
ブランデンブルク協奏曲 第5番
ブランデンブルク協奏曲 第2番
〜アンコール〜
管弦楽組曲 第2番 第6曲 メヌエット、第7曲 バディネリ
主よ人の望みの喜びよ
客層はやはり年配多め。自分と同世代(30代後半)と思しき人は結構見かけた気がしますが、若い人は殆どいなかったように思います。
二段チェンバロは鍵盤が客席に向くように配置され、それを取り囲むように他の奏者が並んでいました。
大編成での第1番は、出だしから頭に疑問符が浮かぶような、アンバランスな演奏。弦と管は分離してるし、弦の音も締まりのないぼやけた音色。
靄のかかったような4楽章に眠気を覚えながら第3番に移るも、張りの無い雰囲気は変わらず。加えて、全曲で参加していたテオルボというリュートのような楽器が第2楽章を担当していたんですが、小さな音で長々と弾き続けているという印象。ちなみにこのテオルボ、ただでさえ埋もれ気味だったチェンバロの音より更に埋もれていて、全編に渡って殆ど何を弾いているのか聴き取れませんでした。
続く第3楽章も何ともふわふわした耳触り……と、ド頭の印象の悪さがずっと引きずったまま第4番へ。ここで唯一、第1ヴァイオリンの演奏が素晴らしく、滑らかで煌びやかな音色心惹かれました。
休憩を挟むと、チェンバロの向きが変えられ、鍵盤が下手へ向き、反響板が客席に向けて開いている配置に。音の聴こえ方からすればこれが理想なんじゃないかと思うんですが、そのおかげか、6番、5番、2番はチェンバロの音が前に出て、全体の音も(これは後半に至って楽団が暖まったからかも知れませんが)締まって聴こえるようになりました。5番では再び第1ヴァイオリンが華のある音を響かせており、2番での大編成も、1番ほどのとっ散らかった印象はありませんでした。
アンコールでの管弦楽組曲からの2曲、“主よ人の望みの喜びよ”は、予定調和ではない新鮮さもあって本編以上に魅力的に響いており、最後はなんとか良い雰囲気で終えることが出来た、という感じでした。
バッハ:管弦楽組曲(全4曲)/ブランデンブルク協奏曲(全6曲) | |
カザルス(パブロ)
SMJ 2009-11-03 |