大坂秋の陣 at ザ・シンフォニーホール (Osaka)

この日はザ・シンフォニーホールで行われた、関西フィルハーモニー管弦楽団日本センチュリー交響楽団の合同企画「大坂秋の陣」に行って来ました。

大坂秋の陣

関西フィル、センチュリーが互いにモーツァルトとチャイコフスキーの交響曲を取り上げ、同日・同会場で演奏するという、オケの違いを聴き比べるにはまたとない企画。

演目は以下。

【第1部】

〜プレコンサート〜

4つの小品 第1楽章(クレンゲル)

〜関西フィル〜

交響曲第35番「ハフナー」(モーツァルト)
交響曲第6番「悲愴」(チャイコフスキー)

【第2部】

〜プレコンサート〜

シャコンヌ(J.S.バッハ)

〜センチュリー〜

交響曲第36番「リンツ」(モーツァルト)
交響曲第5番(チャイコフスキー)

座席は、1階の後ろから2列目、左右ほぼ中央の位置。それほどだだっ広いホ―ルというわけではないので、それでも十分舞台上の動きや表情はよく見えましたが、2階席が頭上にせり出していたこともあってか、少し音が遠く感じました。

1部と2部の間で、一旦会場の外へ出されたんですが、1部2部どちらかだけのチケットもあったので致し方ないとは言え、もうちょっとやりようは無かったのかな、という感じ。どうやら来年春の「大坂春の陣」ではチケット代を安くして、完全に通し券にしてしまうようなので、次は改善されていそうです。

プレコンサートは関西フィルとセンチュリーそれぞれ2名のチェロ奏者が参加してのチェロ4重奏。1部ではお客さんもざわざわと歩き回ったり席に着きながらという空気だったので音も安定せず、聴いていても集中し切れませんでしたが、2部ではお客さんもかなり落ち着いていて、比較的じっくりと聴くことが出来ました。

第1部、関西フィルによる「ハフナー」は、まるでオケの前に一枚幕がかかったかのような音の遠さと、もやっとした弦の音に「モーツァルトってこれで良いのかしら」と違和感を覚えてしまうような演奏。続いての「悲愴」も、第1楽章でオケが堰を切ったように飛び出してくる瞬間の緊迫感が、弦が微妙に遅れて付いてくるようなぬめっとした響きに不安を覚える切れの甘さ。更に、管がオケと分離して、弦の上に乗っかっているような鳴り方をしていたのも奇妙な感触でした。

後半は徐々に暖まって来たのか、最初ほどの違和感も無く、第4楽章の悲哀溢れる重々しいフィーリングは(そのヌメった弦が逆に効果的だったのか)一層感情豊かに表現されているように感じました。

2部のセンチュリーは、関西フィルよりも小編成で、楽器の配置も対向配置でコントラバスとティンパニの位置が左右逆に(「リンツ」では、ティンパニに古楽器を用いていた様子でした)。配置が変わっても特に差異は感じませんでしたが、演奏自体は先ほどの関西フィルとは大違い。まず「リンツ」は、先ほどの薄い幕が取り払われたような鮮明な響きで、しかも関西フィルよりも若干テンポも速く、引き締まったきびきびとした演奏。色艶も良く健康的なモーツァルトといった感じで、聴いていて嬉しくなるような生き生きとしたサウンドでした。

さらに第5番では、最後方の左右中央にコントラバスが5人並ぶという見たことのない配置に。これが功を奏したのか、オケの音が後方の5人に前へ押し出されるように客席後方まで一瞬で飛んでくるような力強さを見せ、触れると切り落とされそうな鋭さを持って、弦も管もシャープに音が立ちまくっていました。関西フィルの時のように、管が不自然に分離しているような違和感も無く、弦も含め強固に結びつくことで共鳴し、よりエネルギーを増してホ―ル狭しと鳴り響いているという感じ。怒濤の勢いのまま第4楽章に突入し、コーダに向けてどんどんヒートアップする中、奏者も椅子から転げ落ちんばかりに大きく身体を揺らしながら激しい演奏を繰り広げ(それでも一糸乱れぬアンサンブルを維持しているのが不思議)、最後まで緊張感を高めていき、客席を高揚感で満たしながらエンディングを迎えました。

これまでオケの違いを比べたことなどありませんでしたが、実際に同じ場所で聴き比べてみると、ここまで違うものかと驚くばかり。というか、センチュリーの冴えまくった演奏と関西フィルの消化不良な演奏のさがここまで如実に出てしまうと、最早残酷と言っても過言ではないので、そういう意味でも英断と言える企画だったのではないかと思います。色々と勉強になりました。

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