黄金の館 Vol.7 at 拾得 (Kyoto)

この日は拾得に、吉田省念によるマンスリーイベント「黄金の館」を観に行きました。

黄金の館 Vol.7 at 拾得

黄金の館は、毎月14日に拾得で省念氏がゲストをひと組迎えて開催している対バンライブ。14日縛りなので平日も多いんですが、この日はお盆休みということもあり会場へ。開演1時間前に入ると、お客さんはまばらでしたが、開演時間が近づくと続々と増えていき、結構なにぎわいに。夕食に玄米定食をいただきましたが、お肉無しでもたっぷりのボリュームで美味でした。

開演時間となり、まずは吉田省念の登場。昨年久しぶりに見た時から派手なギタープレイは鳴りを潜めていましたが、その分歌声の深みがさらに増したようで、新曲も含むなじみの薄い静かな曲が続くも、退屈さは一切なく、歌の表現の豊かさと安定感あるギターが心地よい緊張感と静かな興奮を生みだしていました。三日月スープが好きだった僕は、去年まではあの頃のイメージにずいぶん引っ張られていましたが、なんだかようやく解放された気分です。それだけ今の省念氏からは、彼独自の、新たな魅力を強く、濃く放たれていました。

後半2曲は盟友・植田良太を迎えて(なんと当日の16時に急に「今日来れへん?」と連絡を入れたそうです。これまた長い付き合いならでは、でしょうか)の演奏で締め、この日のゲストの三輪二郎へ。氏の名前は方々で見かけはしたものの、生で観るのは初めて。

昔のフォークソングにあるユーモアやペーソス、ブルースを感じる演奏ですが、当然のことながらテーマは現代的で、横浜のニュータウン出身という氏の出自によるものか、抉るような鋭さを見せず、適度なところでスッと引くような感じがあり、飄々とした風貌と相まって不思議な魅力が漂っています。

氏の音楽に最も強く感じたのはブルース感で、もちろんスタイルとしてのギターの奏法の印象が強かったのは間違いないですが、歌声が時折メロディーから微かにズレて横滑りするようなところは、いわゆるブルースコードということではない、現代日本的なブルース感なんじゃないのかな、と勝手に思いながら耳を傾けていました。

アンコールでは二人で演奏し、懐かしの(三日月スープのレパートリーでもあった、という意味で)“妖怪にご用心”も披露。ぶっつけ本番だったのか、三輪氏はやや様子をうかがいながらの演奏で、省念氏も2番のサビで3番の歌詞を歌ってましたね。

ともあれ、両者ともに唄とギターどちらも独自のサウンドを味わい深く奏でていて、2時間がとても短く感じるような、充実度の高いイベントでした。

III
III 三輪二郎

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