biobiopatata / 真黒毛ぼっくす / グラタンカーニバル at HOP KEN (Osaka)

この日はHOP KENに、biobiopatata真黒毛ぼっくすグラタンカーニバルの出演するイベントを観に行きました。

biobiopatata at HOP KEN

グラタンカーニバル以外は初見。biobiopatataもSoundCloudで聴いた程度、真黒毛ぼっくすについては何一つ知らない状態で会場へ。

オープニングはbiobiopatata。タンゴを起点にしたバンドのようですが、リズムも楽器編成もタンゴらしさはあまり無く、東欧風のメロディやミニマルの香りも漂うジャンルレスな楽曲ばかり。演奏はしっかりと安定していて、生音が綺麗に響く会場のアンビエンスとも非常にマッチしていましたが、逆に安定し過ぎていて面白みに欠けるところもあり、もうひとクセふたクセあるとグッと来るのになぁ……という感じでした。まだまだ伸び代があるのかな、ということで音源を購入するには至らず。

続いての真黒毛ぼっくすは、biobiopatataを従えてのパフォーマンス。

フロントマンの大槻ヒロノリの、高域が潰れて若干ヨレた歌声は、聴き初めには「あんまり好きじゃないかも……」と不安がよぎりましたが、聴いているうちにどんどん引き込まれてゆき、その歌の世界に入る心地良さにどっぷりと首まで浸かってしまいました。

トム・ウェイツを思わせる酔いどれムードと、歌詞に頻繁に現れる東京の地名。MCでの朴訥な語りと、庶民と安酒を讃えるような振り絞るような歌唱からは、大槻氏自身と音楽、そして“うた”の魅力が溢れ出しており、酒を飲まない僕も歌の世界に酔いどれ、帰りに、物販に並んでいた2枚のアルバムを購入してしまいました。

楽曲の完成度に依るものか、biobiopatataはバンド本体のものよりも真黒毛ぼっくすでの演奏の方が素晴らしく、時にコーラスを交えながら、立売堀の小さなお店を艶やかなダンスホ―ルへと変異させていました。帰宅後にbiobiopatataが演奏していない真黒毛ぼっくすの音源を聴くと、意外に楽曲ごとにジャンルのはっきりしたものが多く、そういう意味でもbiobiopatataの演奏は良かったです。

トリはグラタンカーニバル。江崎將史、貝つぶ、カメイナホコ、NGTという豪華な編成で、アンコールでは更にbiobiopatata、真黒毛ぼっくすのメンバーを含めた12人へと拡大していました。

光永惟行の愛されキャラ爆発、という感じで、サックスソロはメンバーのアドリブで勝手に引き延ばされ、MCでは江崎氏、貝つぶ氏からイジられ、しかも本人はとても楽しそう。それはそれで観ていても楽しいんですが、内輪ウケのギリギリ一歩手前(もしくはちょっとはみ出しちゃってる)の雰囲気は、光永氏の本来の魅力であるサックスやギターから零れ出る哀愁を埋もれさせているようなところもあり、ちょっと消化不良の印象もありました。

結果的にはノーチェックだった真黒毛ぼっくすに強く心揺さぶられて帰路へ。後になって大槻氏が30年近いキャリアを持つベテランだと知り、なんだか納得。

酔いどれ東京ダンスミュジック
酔いどれ東京ダンスミュジック 真黒毛ぼっくす

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