in da house at 旧グッゲンハイム邸 (Hyogo)

この日は旧グッゲンハイム邸で行われたイベント・in da houseに行って来ました。

旧グッゲンハイム邸への案内図

二日間の開催でしたが、僕は二日目のみ、娘(4歳10ヶ月)と妻とともに参加。

週末までは春らしい暖かな陽気だったのが、イベント当日になると雨模様に加え気温も急落。往路の車中も時折雨模様になり、空には真っ黒な雲が……という状態で不安の中会場に着きましたが、着いてみると徐々に空は明るくなっていき、冷たい風も収まり、旧グの庭は絶好の子供の遊び場となっていました。

最初の出演者・のっぽのグーニーを娘とともに室内で観ていましたが、導入は普通の弾き語りに見せかけて徐々に関節が外れていくような鋭いユーモアは4歳児では理解しづらいらしく(そりゃ確かに、テニスコーツのさやさんがラップするあの感じの面白さは、大人だって分からない人には分からない)、僕が笑うたびに娘に頭をガンガン叩かれ、終わる頃にはフラフラでした。初見でしたがかなり衝撃的だったので、またじっくり観たいです。

その後、娘は庭で恩くんらと遊び、僕は中で喫茶ゆすらごのカレーを食べながら次のライブを待っていると、庭から“ハイライフ・ヒム”を奏でる音が。慌てて外へ駆け出すと、演奏しながら練り歩く三田村管打団?がすれ違うように室内へ入っていき、二階へと上がると、ベランダに並んで庭に向かって演奏。

そのまま“コッペパン”を演奏しながら庭に出てきて、“オオハラII”、そして大作“旅行”へ。

この日の編成は飯野弥生、澤井まり、松田徹、亀井奈穂子、武田裕里子、森本アリ、吉野竜城、塩田遥、池田安友子、塩入基弘の十名。サックス多めでホ―ン少なめという感じでしたが、リズム隊二名の下支えもあり、充分にパワフルでした。特に“旅行”のドラマティックさは、空の青さと相俟っていつにも増して感動的に響いていたように感じました。

この日のお客さんは3割近くが東京からの遠征組だったそうですが、その分反応も熱くアクティブだったので、それを察知したアリ氏は“PATA PATA”で「廻ります」と言って庭をお客さんとともに円を描いてゆっくり廻り始め、のんびりしたサークル・モッシュ状態に。エンディングでは円の中心でお客さんとともに主メロを大合唱。そのまま“キネンジロー”に突入し、やはり後半のスキャット部分は大合唱。普段の関西ライブではなかなか観られない大盛り上がりっぷりで、慣れない娘は若干ビビっていました。

やや気持ちが折れている娘を抱きかかえたまま室内に戻り、浅野達彦×うつくしきひかりを鑑賞。暗い部屋の中、ステージバックに穏やかな映像が流れる中響くアンビエントなサウンドに娘はほどなく眠りに入り、僕は膝の上で抱えながら、釣られて夢の世界に引き入れられそうな心地良さの中、三人の奏でる穏やかな音に身を委ねていました。

その後庭に出て、気持ちの良い風が吹く芝生の上で娘におやつを食べさせていると、ステージから突如演奏が聴こえ始め、それがホライズン山下宅配便の“隣人と私たちは手を組んだ”だと気付き、娘を妻に任せ、慌てて室内に駆け込みました。しかし、マイクを握って庭に向かって歌う黒岡氏が「もうちょっとボーカル上げてください」などと言いながら歌っていて、実はまだリハーサルだった様子。しかしリハーサルとは言え、演奏は本番さながら、黒岡氏は先ほどの庭に向かっての絶唱や「MCの練習をします」と喋り出すなど既にパフォーマンスとしての境界線はありません。

ホランソロジーにも収録されている“中華人民共和国”を終え、そのまま本番を始めようとするも、小道具を取りに戻りたいという黒岡氏に伴瀬氏が「1分30秒後にスタート」と返すと、「1分30秒ということは、92秒だね」と言い捨てて一旦退場。誰も突っ込まないまま徐々に時空が歪んでいくのを感じながら待っていると、「荷物が全部盗まれていた」と客席後方に再登場。

最初の曲は夜のイメージなのでカーテンを閉めて照明を落とすように、との黒岡氏の指示で暗くなった客席で、男同士の痴漢ごっこを傍のお客さんとやった後、何かの詞を朗々と歌いながらライターの明かり片手に(時折、威嚇するようにお客さんの顔を覗き込みながら)ステージに向かい、歌い出したのは「とんちこんぴ」に収録の“DO IT 〜ル・トラブルン・アンブルン・レインブルン〜ミドロの反乱”。そこから切れ目なく“レモンと肉ヒダ”に移る中、ステージ後方のカーテンも窓も開けられると、真っ白な日差しとさわやかな春の風が室内を彩ります。

黒岡氏は「奇数列の人だけ立ってください」と座っているお客さんをまばらに立たせたりKKKのような白装束に身を包んだりとお客さんを独特のナンセンスで翻弄しつつ、終始汗を飛び散らせて熱唱。彼を囲むようにして演奏する3人はあくまでもクールに、しかし卓越したテクニックで極上のビートを生み出します。2年ぶりのホライズンの関西ライブは僕にとっても2年ぶりの鑑賞で、その間は過去の音源を繰り返し聴くしかなかったわけですが、生で聴くバンドのタイトさと太くたくましいグルーヴ、そして黒岡氏のエキセントリックなアドリブあってこそのホライズンということを再認識しました。

後半では、あだち麗三郎がサックスで参加しての演奏でしたが、残りあと2曲というところで、サックス用のマイクが不調だったのか(そのとき黒岡氏がPAのことを「パワーエナジーが」と言っていたように聴こえたのは幻聴でしょうか)、セッティングの時間を必要としたので、そのついでという感じで間を埋めるために“雨の日”を披露。しかしこれ、ほんとにその場で決めてささっと演奏したんでしょうか。だとすると嬉し過ぎるサプライズでもあり、バンドのポテンシャルの一旦に触れる瞬間でもありました。

ホライズン屈指の人気曲“期待”では、「外行きてぇー」と叫んで縁側に飛び出し、庭に向かってお馴染みのダンスをしながら歌っていましたが、後で妻から聞いた話によると、黒岡氏の鬼気迫る表情のためか、飯野弥生・山本信記ご夫妻のお子さんが泣きそうになって「おかあちゃん、だっこ」となっていたそうです。

ステージ前もサークルモッシュ状態でPAがひっくり返りそうなやや危険な状況に陥るほどの盛り上がり。冒頭の、窓をどんどん開けていた時も、音が変わってしまったのか、西川文章氏が頻繁に宅を触っていたように見受けられました。

ラストは“大工の歌〜今日からお前の家だ〜”でしたが、1番が終わった時点でバッサリ切って、他のメンバーが唖然とする中、黒岡氏が終了の挨拶。ほんとに終わんのかよ……という表情でそろそろとギターを下ろす伴瀬氏の固まった笑顔が印象的でした。

こんな妄想記事を書きながら待ち焦がれ、ようやく観ることのできたホライズンの勇姿に感無量でしたが、後になってみると、あの曲も聴きたかった、この曲も聴きたかった、とまた期待が膨らんでしまったので、今度はもっと短いインターバルで関西に来て欲しいです。

初見のアクト、ここ最近で最高のパフォーマンスだったアクト、念願のアクトを観られたので、あとは娘のこともあるので、帰宅に向けてのんびりと庭で遊んだり、2階のベランダで山本精一の演奏をモニター越しに聴きながら、夕焼けを眺めながらご飯を食べたりしながらまったりと過ごしました。虎茶屋の麻婆丼は食べ逃し、ホランソロジーは買い逃すという痛恨の空振りをしてしまいましたが、代わりに食べたバカンス食堂のピザに娘は大喜び、ホランソロジーはライブ後にお話しできた黒岡さんから直接買わせていただけることになり結果オーライ。

妻はビールを4杯も飲み、僕も気付けば財布に余裕が無くなっており、かなり充実していた物販はスルーして、日が暮れる頃に旧グを後にしました。

音楽のパーティに連れて行ったつもりが、「ピザが食べられたこと」と「お庭の木に登れたこと」が一番楽しかったと言う娘。子供というのは、親の思わぬ反応を見せるので、面白いです。

期待
期待 ホライズン山下宅配便

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