cero at CLUB QUATTRO (Osaka)

この日は梅田クラブクアトロceroを観に行きました。ceroを観るのは昨年のSKATERS NITE以来ですが、ワンマンは初めて。

cero at CLUB QUATTRO

この日のチケットは早々にソールド・アウト。3年前の旧グでのライブを思うと、その人気の高さが未だに信じられない気がします。

まるで暖房が入っているようなフロアの熱さに耐えながら待っていると、開演時間から5分ほどでメンバーが登場。サポートメンバーを総動員した総勢8名の大編成は、視覚的にも大変ゴージャス。

「Yellow Magus」のDVDに収録されていた昨年のツアーファイナルの東京での演奏シーンを観ていても、この編成でのリズム隊のタイトさは5人編成時と比べ際立っていましたが、実際生で聴くとその正確さと音の太さ、切れ味の鋭さは圧巻でした。

そのリズム隊のカラーもあってか、演奏は全編に亘ってファンキーなグルーヴ感が漂っていて、ブラック・ミュージックのテイストを強く感じました。ceroって細野晴臣フォロワー的に思ってたけど、こんなに黒いバンドだったっけ、という感じ。

細野テイストの強く感じられる「WORLD RECORD」と比べ、「My Lost City」以降は独自のカラーを獲得しつつも、随所に潜ませた様々なジャンルからの引用で、やはりバックグラウンドの広さを感じさせる、“温故知新”を地で行くサウンドを生み出していましたが、ライブではどの曲も、録音された音源とはまた更に別の側面が表面化し、同じ楽曲でも少し違う角度から見るとまた新たなバックグラウンドが垣間見えるようで、まるでひとつの物体に当てる照明の角度で、その物体の見え方が変わってくる時のような、“立体感”とでも言いたくなるような感触がありました。

この日は音響も素晴らしく、初めて梅田クアトロに来た時は低音の周り具合が気になりましたが、この日はその音に混ざることなく各パートの演奏が鮮明に分離して聴こえていて、しかも低音楽器が全体をしっかり結束してひとつの塊となっていました。大音量なのに耳に痛くなく、ライブPAならではのパワフルさも申し分無く、耳を澄ませばどの音もしっかり聴き取れる、という理想的なバランス。この音響だけでも感動してしまいそうでした。

セットリストは2枚のアルバム、前述の最新シングル、そして初期シングルからの曲も織り交ぜながら、殆どの曲でライブ用にイントロダクションが付けられたり全体的にアレンジを変えたりしていましたが、そのことごとくが曲の良さを際立たせる絶妙なものばかりで、レパートリーが限られているにも関わらず、各曲のイントロでフロアが沸く感じ、それがどの曲だか分かった瞬間に鳥肌の立つ感じは、その巧みなアレンジセンスあってのもの。

しかし、サービス精神から来るものだろうとは思いますが、2枚のアルバムとシングル数枚で2時間強のステージはやや冗長感もあり、次のライブへの期待を煽る意味でも1時間半ぐらいが丁度良いのではないかと思いました。それもあって曲ごとにブラッシュアップをしていたのだろうとは思いますが、僕はもうお腹いっぱいになるまで堪能したので、しばらく観なくていいかな、というのが正直なところ。

アンコールで物販を紹介していましたが、トートバッグがかっこいいなぁと思いつつも、すでにトートバッグいくつも持ってるしお金ないし(最近トートってグッズとして定着してる感あるけど、Tシャツと違って消耗品でもないので、より一層食指が動かないです)……ということで、激混みのロビーを牛歩のスピードで通り抜け、エントランス手前で入場特典CDだけ受け取って退場。しかしこれだけのもの見せてもらった上にCDまで付いてくるなんて、どこまでサービス旺盛なのかしら……と感心しながら帰宅して、この日の半券を紛失してたことに気付きました。まあいいか……。

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