OzzFest Japan 2013 at 幕張メッセ(Chiba)

この日は幕張メッセで行われた「OzzFest Japan 2013」に行って来ました。

ozzfest

アリーナへのペットボトル持ち込み不可、大きめのバッグ(「A3以内」と具体的に定めていました)の持ち込み禁止、入り口と鑑賞フロア間での荷物チェックなど、OzzFest会場内は結構色々居心地悪そうだったので(あと最近はフェスご飯がすっかり苦手になってしまっていたのもあって。もう、量も少なくて高くて落ち着かないご飯とか勘弁して欲しいです)、大きい荷物は東京駅のロッカーに預け(荷物預りのサービスはありましたが、1,000円も取られる上、帰りに行列に並ばされてはたまらない)昼食は海浜幕張駅近くのビル内でお刺身の定食を食べ、のんびりとメッセへ向かいました。

リストバンド交換所から会場までがやたら長距離で、雨だった一日目にいかなくて良かったと改めて思いながら、強い日差しの下、入口へ。

13時半頃に会場入りするとMUCCが演奏中。この手の音楽が久し振りだったのもありましたが、演奏も安定してるし歌も上手いし、時間潰しのつもりが結構聴き入ってしまいました。MCも上手いしお客さんのノセ方もお見事。

ステージは左右入れ替わりで進行され、左手「Purple Stage」のMUCCが終わると10分の待ち時間の後、右手「Black Stage」でAA=がスタート。

AA=もMUCC同様、この日が初見。MAD CAPSULE MARKETSのTAKESHIのバンドということでちょっと期待していましたが、10年前にMADでやり尽くした打ち込み+ハードコアというフォーマットを今更使い続けている感じで、あまりインパクトはありませんでした。ボーカルにもう少しインパクトがあればもうちょっと印象は違ったかな、という気はしますが。TAKESHIもKYONOの存在感のある押しの強い声のサイドだと良い感じだったんですが、このバンドはリードボーカリストがイマイチなんで、あんまり活きてないんですよね。

続いてのSteel Pantherは、80年代のLAメタルバンドのミュージックビデオから飛び出したかのようなリバイバル感全開のサウンド。ド派手な衣装、セクシーなパフォーマンス、キャッチーな歌メロ、下ネタ連発、とどれもが当時を知る人の琴線に触れるようなクリシェで埋め尽くされているんですが、これで楽曲のクオリティもお客さんを盛り上げるセンス(日本語も織り交ぜたお馬鹿なMCは終始大受け)も抜群なので、回顧趣味に止まらない説得力がありました。そう、ヘヴィ・メタルってこういう音楽のことを言うんだよね。

そして会場内からもかなり期待値の高さを感じさせる熱狂的なムードで迎えられた人間椅子は、10数年振りに観ましたが、ルックスとドラマーの変化以外は良い意味で相変わらず。怪しげなムードとメンバーの和装は、強烈に異彩を放っていました。

前半は、最近新譜もずっとチェックしていない僕の知らない曲が続いていたので、多分近年の曲で固めていた様子です。和嶋慎治側のボーカルが小さくて聴き取りづらかったのが少し残念でした。

後半、和嶋慎治の「バンド生活25年、ようやく幕張メッセの舞台に立つことが出来ました。ありがとうございます」というグッと来るMCに続いての「人面瘡」、そして最後は「Breadfan」こと「針の山」で大喝采の中終了。いやぁ、いいもの観させてもらいました。久し振りにワンマンも観たいな。

Stone Sourは、コリィ・テイラーという人の本来の魅力的な声と歌唱力を活かすにはSlipKnotではない別のバンドが必要だったんだな、とは理解できるものの、音楽的にはちょっと凡庸かな、と。声は確かにとても良かったので、どうせなら弾き語りでもしてくれた方が魅力は活きる気がしました。

DIR EN GRAYは、音が歪み過ぎてて何やってるのかちょっと分からない、というPA的な問題を別にしても、ビジュアル系特有の言語感覚や映像には面白味を感じられなかったし、デス・ヴォイスからハイトーン・シャウト、スロー・テンポからブラスト・ビートという極端なサウンドの多用も、特に書き連ねるほどの部分もなく、これならVampilliaの方が100万倍面白いな。

Purple StageラストのTOOLは、DIR EN GRAYがステージ背後をフロア側からのプロジェクター投影で映像を流していたのに対し、ステージ上・バンドセットの後ろに高さ2m程のスクリーンを屏風状に並べ、更にステージ左右の常設大型スクリーンも利用しての映像演出。加えてバックドロップも活用し、照明もフル稼働+レーザーも用いてのビジュアル・エフェクトは、フロアも含めて会場全体をアート表現に昇華していました。

バンドの演奏も、一種の冷静さを維持したクレバーな緊張感を伴ったプレイに終始し、見事なバランスで映像と一体化していました。下手な装飾や派手さ・インパクトを狙っていないシンプルながらクオリティの高いメロディとリフは、楽曲自体の強靭さの現れでもあり、ジワジワと身体の内側から燃え立つようなエネルギーにすっかり興奮してしまいました。この日観た初耳バンドの中で唯一音源を聴いてみたいと思いました。

そしてトリは、オジー・トニー・ギーザー揃い踏みのBlack Sabbath。オジーはキーが低いだけではなく、キーが取れないところ頻発で、かなりのレベルの音痴になっていましたし、トニーもかなり大胆にトチる場所が多く、逆にドラマーがビル・ワードじゃなくて若くてパワフルで安定したメンバーで良かったな、というぐらいの演奏ぶりでしたが、とにかく僕にとってSabbathと言えばオジーがいるSabbathなので、それが観られて、聴き馴染んだあの曲この曲を(下手なりにも)本人が演っていることに意味があるわけで、特に「Iron Man」のイントロでオジーが(大病からステージ復帰した)トニーを指差して「He Is Iron Man」と歌い出した時には胸が熱くならざるを得ないわけです。

本編ラスト「Childlen Of the Grave」では僕が観ていた後方でもサークルモッシュが生まれ、この日は体調も優れなかったので大人しく観ていたものの、さすがに真横でやられたら我慢も出来ず、楽しくぐるぐる回ってました。

アンコールにお約束の「Paranoid」で締め、日本でのOzzFestはこれにて終了。

主に初日のメンツ絡みでイベンターに非難轟々だったフェスでしたが、結果的には二日目はかなり充実したラインナップになったと思いますし、事実とても満足度の高い一日でした。

まあ次回は無いでしょうし、あっても多分行きませんが、一度きりのお祭りとしてはなかなか良かったのではないでしょうか。

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