キツネの嫁入りpresents 第二回スキマアワー「学校で教わらなかった音楽」 at 元・立誠小学校 (Kyoto)

この日は元・立誠小学校で行われたスキマアワーに行って来ました。

昨年も遊びに行きましたが、家族で行ったら子守りで走り回るばかりで音楽が全く聴けなかったので、今年は一人で参加。

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開演前にろびさんと近況報告をした後、職員室でdry river stringがスタート。

耳触りは良いもののあまり心に引っかからない音に感じたのは、ややぼんやりとしたPAとの相性もあったのでしょうか。数曲で飽きてしまい、室外へ。すると数年ぶりの意外な人と再会し、次のライブまでしばらく立ち話をしていました。

講堂での柳原陽一郎は、前半に「震災以降」の、正にその後の数多の事象をテーマにした歌をアコギの弾き語りで、後半にピアノの弾き語りで過去の曲、そして最後に「さよなら人類」。

たまも、その周辺の音楽もほぼ未体験なので「さよなら人類」意外は全く知りませんでしたが、前半の弾き語りは、歌の軽やかさと、歌詞の緊張感と、「学校の講堂」らしいアンビエンスが生み出すノスタルジーがただならぬ空気を生み出していて、心地良くも聴くごとに覚醒していくような興奮がありました。

3階の和室に行くと、Predawnが演奏中。色香の漂う柔らかい歌声が大変魅力的でした。部分的に声が表現についてきていない印象がありましたが、何せまだ20代であの声。歌とともに年を重ねると、身悶えするほどの素晴らしいシンガーになりそうですね。

職員室に戻り、sweet music山田さんに病状を訊いたり先日の音楽ライタ―講座の話をしたり。

少し時間が押してのうつくしきひかり自分の視聴会で初めて聴いての初ライブでしたが、やはり生演奏は良いですね。MC.sirafuのMCもスティール・パンの音に負けず劣らずチャーミング。

演奏も素晴らしかったですが、「学校で教わった曲をやります」と歌った「おおきな古時計」が白眉で、歌い継がれた曲の強度、記憶にある音楽を呼び覚まされる快楽、そしてそれを引き出す二人の演奏家の力量に思わず唸ってしまいました。

講堂から聴こえるリハーサルの音が被っていましたが、それ以上に撮影クルーのカメラのシャッタ―音がものすごく耳につきました。何とかならないものでしょうか。

そのリハーサル音が聴こえていた講堂での石橋英子 with もう死んだ人たちは、以前観た時とは全く違うバンドサウンド。ファルセットのボーカルを乗せて変拍子と転調を繰り返しながらハードに突き進む楽曲はまるで70年代のYesのよう。どれも新しく出るアルバムの曲だったようです。楽しみですね。

物販コーナーで、先行発売されていたキツネの嫁入りの新譜を購入し、3階和室で演奏中のゆーきゃんを観に。

講堂、職員室から離れ、畳が倍音を吸収する良好な音響の中で響くゆーきゃんバンドの演奏は美しくも力強く、普段感じられる(というか全身から放射されている)センシティブさとは距離を置いた色鮮やかで厚みの感じるサウンドを奏でていました。

和室に入った時に演奏していた曲がイーノの「By This River」に聴こえましたが、カバーだったんでしょうか。

Jaaja は、少し暗くなりつつある職員室での演奏。

久し振りに観たJaajaは、やはり筆舌に尽くし難い素晴らしさ。飄々とした風貌と名古屋弁のMCが醸し出す脱力感とは対照的とも言える、乾いてひび割れた大地から軋みをあげて沸き出てくるような熱い音。そのひとつひとつの音のなんと饒舌なこと。

最初は小さな明かりの中の演奏でしたが、途中で「照明点けると、すごく天気の悪い日の授業中の教室みたいになりそう」ということで照明を点けたら、正に曇天模様の午前授業の雰囲気に。少年時代のノスタルジアとの、胸を締め付けられるような共演でした。

最後は講堂にて、コトリンゴ 。ベース、ドラムを加えたトリオ編成でのバンド演奏。ファーストアルバムでのピアノ弾き語り+電子音というイメージのままだったので、あまりアクティブな音は期待していませんでしたが、序盤からドラマーのただならぬ動きに目を奪われていると、曲ごとにバンドはどんどん前のめりに自己主張を強め、時に燃えたぎるようなインプロヴィゼーションへ。簡単な例え方をしてしまうと「クラムボンっぽい」んですが、あのバンドの持つ独特の「クセ」が鼻につく人には、若々しくストレートに疾走するアンサンブルは素直に気持ち良く楽しめるのでは。今の気分で言うと、僕はそのクチでした。

講堂のやや後方ではバンド演奏がタイトに鳴るような音響ではなかったので歌が聴き取りづらかったですが、バンドのエネルギーは十分伝わってきました。

終演後、夜の部があるアバンギルドには寄らず、タワレコや本屋に寄り道して帰宅。

校内は部屋によって音響が全く違い、さらに窓の開閉や外からの音の混ざり具合、時間帯でも大きな変化が起こっていたんですが、それに上手くハマるかどうかが結構大きな分かれ目だったように思いました。講堂では柳原陽一郎、職員室ではJaaja、和室ではゆーきゃんが素晴らしかったです。

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