キツネの嫁入りpresents〜スキマ産業vol.31〜 at UrBANGUILD (Kyoto)

この日はUrBANGUILDで行われた「キツネの嫁入りpresents〜スキマ産業vol.31〜」に行ってきました。

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オープニングアクトのムーズムズは、この日初見と思い込んでましたが、見ているうちに記憶が蘇り、二回目だったと気づきました。ムジカで観た時にはかなり密度の濃い印象がありましたが、この日はUrBANGUILDの広い空間に飲み込まれてしまった感じ。端的に言って、歌の弱さがハコが広くなったら妙に目立ってしまった、という感じでした。バンドサウンドは音も立っていてスリリングだったので、いっそのことこの日は割り切ってインストでやり切ってしまった方が良かったのでは、とも思いつつ。

続いてのキツネの嫁入りは、ここ最近の盤石のパターンに、「雨の歌」では次作のレコーディングに参加していたmmmのフルートを加えてのアルバムバージョンを披露。正直フルートの印象はUrBANGUILDの音響では大きく印象を変えるものではなかったですが。

演奏が安定しているのはいつもながら。MCはいつもよりもテンション高め(ラーメンネタ無し)。という感じでした。

この日京都でのレコ発となった埋火は、ドラムスの志賀加奈子が急病との事で、珍しくデュオでの演奏。時間の流れを忘れさせるような、浮遊感のあるゆったりとした二人のパフォーマンスは、歌ものでありながらドローンやアンビエントのアブストラクトさもあり、普段の三人ではなかなか聴く事の出来ない音を紡ぎ出していました。

ドラムスがないせいか、PAによるものか、見汐麻衣のギターに深くかかったリバーブは、いつもだとサイケ感を醸し出すに留まっていたのが、この日はUrBANGUILDの空間を埋め尽くすように広がっていき、広大なイメージを連想させる幻想的なムードを創出していて、霊気を含んだようなUrBANGUILD独特の空気ならではの世界が描き出されていたように思います。

最後はこちらもレコ発となるmmm。初見でしたが、ステージ下でけたたましくはしゃいでいる姿から一変し、ギターを抱え、マイクの前に立つと、それだけで身体の内側からほのかに色香を漂わせます。それも、強烈な色香ではなく、控えめで、抑制されたような色香。

歌い始めると、そのかすれ気味に艶っぽく響く声はより肉感的なイメージを広げ、1曲歌い終わる頃にはズレる眼鏡を右手の人差し指で持ち上げる仕草にもドキドキしてしまいます。

艶やかさに彩りを加えるMC shirafuによるスティール・パンとバンジョー、トランペットのサポートも絶妙で、適度に力の抜けた歌詞の世界とも見事にマッチしていました。後半ではキツネの嫁入りのメンバーをバックに従えてのバンド演奏でしたが、格好良くドライブする演奏の素晴らしさに気分も盛り上がるものの、声がバンドアンサンブルに埋もれ気味になってしまっていたのが残念。PAの問題もあるでしょうが、まだバンドでの歌唱に最適化されていないといった感じ。若くしてこの声、との評判も耳にする歌唱力ですが、やはりこの辺りが若さ故の未成熟なところなのでしょうか。しかし、逆にそれが今後の期待に繋がるほどには魅力的なシンガーであるのは間違いないです。

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