DODDODO企画 『猫がニャ〜て犬がワンッ!』 at ムジカジャポニカ(Osaka)

この日はムジカジャポニカで行われた「DODDODO企画 『猫がニャ〜て犬がワンッ!』」を観に行きました。

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オープニングのJON(犬)は、犬の着ぐるみに身を包んだ足踏みオルガン弾き語り。5年前のp-hourで踊っているのを観て以来、一度演奏を聴いてみたいと思っていたのですが、この日ようやく実現。

ふわふわの風貌から伝わるイメージそのままの、童謡に通ずる愛らしい言葉遊びとシンプルなメロディで聴き手を魅了しつつも、犬の着ぐるみで普通に歌って喋ってオルガン弾いてるというシチュエーションと、サイケとも取れる歌詞によって醸し出されているシュールさが絶妙なスパイスになっており、分かりやすいだけではない、後を引くような深みも余韻に感じさせてくれます。

子供には、機能的な童謡よりもこういった音楽を聴かせる方がいいんじゃないかと思います。

続いては、PIKA☆太愛鼓はドラムの「叩き語り」。打ち込みとシンクロしたドラムソロ、といったスタイルの演奏が一時期結構多くて辟易としましたが、そういったドラムソロらしいドラムソロとは一線を画しながら、あふりらんぽをはじめとする様々な活動で一貫しているナンセンスな小芝居や不思議ちゃん的世界観。そして、何と言っても圧巻なのはやはりそのドラミングです。「あれ、今片手でスネアロールしてなかったか」と思わせる怒濤のフィルインは息を飲むほど。それをMCで話すようなプライベートな雑談を交えながら繰り出したり、勢いでタムをひっくり返した流れでステージに置かれたロディのミニチュアで遊び始めたりするんだから、この人の音楽観というのは全く以てブレないというかなんというか(思えば、「関西ゼロ世代」と呼ばれてた人たちって、未だにブレが全然無いですよね。天才はデビュー時に既に完成されている、を地で行ってる感じ)。

後半でワイヤレスヘッドセットの電池が切れるというアクシデントに見舞われましたが、そこは世界を股にかけての百戦錬磨のド根性でどうにか切り抜けて終了。ステージを降りて、そのまま楽屋に消えると見せかけてまた出てくる、という「迷い」をそのまま出したような動きでしたが、そんな柔軟性も観客が受け入れられる器をしっかり作ってるからこそできるんですよね。この辺りは、天然か計算か、ではなく、「積み重ね」でしょう。

そしてラストのDODDODOバンドは、レコ発でのバンド編成で、DODDODOはマイク一本のみでの全曲完全生バンドでの演奏。

依然と比べるとかなりバンドとしてのキャラクターが固まっていて、そもそも相当異色な編成なので、個性と発信している音がより明確になったという印象。レコ発の時点ではややまとまりにかけるように感じたリズム隊も、今回はお互いの強烈な個性ががっぷり四つに組んでいて、バランス十分、聴き応え抜群の強力タッグに仕上がっていました。

以前のPOPOとの共演でも感じたとおり、DODDODOの楽曲は編成やアレンジを変えるだけで新しい魅力がどんどん引き出されるポテンシャルを秘めているので、この日も演奏された彼女の代表曲から新鮮なきらめきがとめどなく湧き出ていて、最初から最後までワクワク感が止まりませんでした。ムードメーカーとして全体をドライブさせる和田晋侍の後方支援も素晴らしかったです。

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