8.15世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA! in kyoto at UrBANGUILD (Kyoto)

この日はUrBANGUILDで行われた「8.15世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA! in kyoto」に行ってきました。

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進行は、放射能に関するレクチャーとライブが交互に行われる形で進行し、どちらも正に聴き逃せない、かなり密度の濃い内容でした。

半減に24,000年を要するプルトニウム(239)が発する放射線(アルファ線)は遮蔽されるとほぼ外には出て行かないので内部被曝が外から測定しただけでは発見できないこと、自然界に存在しないプルトニウムは発見されてからたかだか66年なので、それが人体にどのような影響を及ぼすのかというデータが揃っているはずがないこと、園芸用にホームセンターで売られている全国の土には既に被爆した土が混じっており、大きな袋で山積みにされているホームセンターのコーナーに測定器をかざすと針が振れること、放射線量の高いところにいたからといって、その人の身体に放射性物質が付着していない限り高い放射線を発することはないということ(会場に来ていた田畑満氏が「10mSVのところ行ったで」と言って測定器を当てられていましたが、全く反応していませんでした)などなど、数々の再認識したこと、知らなかったこと、気づかされたことの目白押し。やっぱり普段からもっと情報を収集しておかないと、我が子を守ることなどできないな……とつくづく思いました。

ライブは、スズメンバ、AUX、長谷川健一、キツネの嫁入り、ふちがみとふなと、オールライツ、ULTRA BIDEの順での出演でしたが、時間が押していたのもあって、オールライツの途中で帰路へ。

初見はスズメンバ、長谷川健一、オールライツ。

スズメンバは、刺々しさを控えたアバンギャルドさがキュートで心地良いパフォーマンス。もっちゃりした男性ボーカルと、激しくかき鳴らしても威圧的にならない女性のギタープレイが印象的でした。

長谷川健一は、ここ数年聴いてきた数多ある弾き語りものの中で明らかに出色していました。柔らかくも緊迫感を持って響く声、言葉の持つ貫通力、たたずまい、MC、そして“間”が生み出す空気感。本当にすごい歌い手の演奏には、揺るぎない説得力のようなものがあることを改めて思い知らされました。

オールライツはスズメンバ、AUXも交えた大編成のバンドで、天空オーケストラを思い起こさせるようなスケール感のある演奏はなかなか魅力的。

AUX5年ぶり。当時と比べて僕のボキャブラリーが増えたのかどうか分からないんですが、あの時の記憶は(ボーカルのヘアスタイル以外)ほとんどなく、改めて観ると普通に格好良いファンク・バンドという印象でした。

音もタイトで音響的なバランスも技術力も申し分のない完成度の高さでしたが、フェンダーローズを弾く女性が、かなりの大音量の中で赤子を抱きながら演奏しているのが気になりました。耳栓してたのかな……。

キツネの嫁入りはこの日ベースはボディの小さいコンパクトなアップライト、ひーちゃんはアップライトピアノのみ、という構成で打楽器は無し。ベースの低域が過度に出てしまっていてややバランスが悪かったですが、アコースティックピアノを基調としたキツネの嫁入りもなかなか味わい深かったです。

そしてこの日の白眉はふちがみとふなと。ふちふなが悪かったことなど記憶にないし、毎回「今までで一番良かったなぁ」と思えるほど素晴らしいんですが、やはり今回も「今までで一番良かったなぁ」と思わざるを得ない素晴らしさ。

恐らくそれは、僕がまだふちふなの全容を把握できていなくて、観るたびにそれに気づくからなんだろうと思います。

たった二人、歌とベース、というそぎ落とされた表現。その奥深さ。

観るほどに知る、という体験は、音楽の最も劇的で感動的な体験だと思いますが、今は即効性が求められることが多いからなのか、この体験をさせてくれるアーティストはなかなかいません。

もうひとつは、ふちふなの音が、様々な状況、空間に優しく寄り添う“力”を持っているからだと思います。“聴き手の代弁者としてのポップ”という要素を持っている、ということを、このイベント(と、MCで話していた東北でのエピソードを聞いて)で改めて強く感じました。

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