スキマ産業vol.29〜タテタカコ×キツネの嫁入り〜 at UrBANGUILD (Kyoto)

この日はUrBANGUILDで行われた「スキマ産業vol.29〜タテタカコ×キツネの嫁入り〜」に行ってきました。

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UrBANGUILDもフルメンバーでのキツネの嫁入りも、去年の同時期にあったスキマ産業以来。

キツネの嫁入りは、METROでドラム抜きの三人編成を観たこともあってか、パワフルなリズムが印象的で、以前よりさらにタイトでダイナミックなサウンドに強化されているように感じました。従来の、ジャンル特定不能の独自の世界観は損なわず、しかしリズムはよりロックに、時にダンサンブルにバンドを押し進めます。

アバンギルドのPAによるものか、ドラムの音にギターが埋もれ気味だったのが少し残念ですが、新曲のクオリティの高さ・充実度・アレンジのバリエーションの広さも含めて内容は(おすすめラーメンの話を盛り込んだMCも含め)素晴らしく、次の展開がますます楽しみなバンドです。この夏にレコーディングを開始し、来年春頃にはセカンドアルバムが出るそうです。

タテタカコはこの日が初見(映画(「誰も知らない」)では観ましたが)でした。

伸びやかで美しい歌声と、ハードさとメロウさを行き来する快活なピアノプレイが実に魅力的で、言葉にするとそれぞれの要素は特に珍しいものでもないんですが、そんな技術面の裏付けがある上で歌われる曲の持つストーリー性、ドラマ性が実に素晴らしい。

それは歌詞がストーリー立ててあるということではなく、一つ一つの曲を聴いていると、出だしでぐっと引き込まれ、曲の展開に息を飲み、ラストの盛り上がりで聴き手をさらに高揚させ、エンディングでため息の出るような、4〜5分の間に短編映画が凝縮されているような、そんな“濃さ”があるんです。

本編後半では、一曲ごとにクライマックスが訪れるような、さらにドラマティックなナンバーの目白押しで、約2時間のステージが終わった後は、まるで映画館でエンドロールを見終わったかのような気分になりました。

それを理解してのことでしょう、開演時間を早めにして彼女の持ち時間をたっぷり用意したスキマ産業も流石です。

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この日は、BGMでレイ・ハラカミの曲がよくかかってましたね。追悼で故人の作品を思い出したかのように引っ張りだすのは好きではないですが、京都に響くあのぽわんとした音は、このタイミングで僕が一番求めていたもののような気もします。

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