「CARBON AND SPACE 〜音と書の実験空間〜」 at 旧グッゲンハイム邸 (Hyogo)

この日は旧グッゲンハイム邸で行われたakiの書と大友良英のコラボイベント「CARBON AND SPACE 〜音と書の実験空間〜 」を観に行きました。

会場内には墨でペイントされた白紙を素材にしたオブジェが飾られ、床には真っ白な紙が敷かれ、ステージからベランダまで花道のように続いています。

グランドピアノの背後の壁にも紙が貼られており、庭にも筆と墨、紙が敷かれていて、どこまでがキャンバスなのかがよく分かりません。

ピアノのそばの席に座ると、前には新聞で作られた“墨避け”が丸めて置かれていました。墨が飛んで来るかもしれないので、前の人はこれで避けろ、というアミューズメントパークみたいな仕組み。

大友はピアノの横に置かれたオルガンで姿がほとんど見えませんでしたが、ピアノの弦の上にスネアが置かれていて、足元にあるフェンダーのギターアンプにピックアップか何かがつながっているようでした。

フィードバックノイズと弦をこする音、スネアを揺さぶる音、そしてシンプルなピアノの響き、オルガンのメロディ(途中、“その街の子供たち”がインサート)を使い分けながら即興で音を紡ぐ大友の演奏をバックに、akiは新聞にくるまれた白い紙を次々に広げてはドローイングをしてゆきます。

まるで舞踏のように優雅に動きながら、複数の筆を束にして紙の上を滑る筆の動きは、神経を研ぎ澄ましながらも、澱むことなく次から次へと描かれます。肉体の動きがそのまま反映されたようなその書きっぷりは、非常にスポーティにも見えます。

そして、いわゆる“ライブペインティング”のように時間をかけて書き込むのではなく、瞬間毎に完成させていく小気味良さは、即興演奏との相性も抜群。時に背中を向け、時に呼応する二人の掛け合いは、異種格闘技でありながら全く違和感なく絡み合っていて、刺激的で見応えのあるインプロヴィゼーションが繰り広げられていました。

ピアノ前の定位置でしばらく書き続けていましたが、後半でピアノのバックの壁に書き出すと、続いて床に書き始め、花道を書き進みながら庭へと降りてゆきます。

庭での書が終わったところで前半は終了。後半は大友がギターに持ち替え、庭での演奏と、庭でのドローイングに。

前半に比べると、疲れが出たのか変化が少なくてマンネリに見えたのか、やや緩みの感じられるセッションになりましたが、それでも大友の“Lonely Woman”などを織り交ぜながらのギタープレイはやはり素晴らしく、近くを通る電車の音と混ざり、潮の匂い、ひんやりとした夜風と溶け合って、旧グの庭と塩屋の夜空に美しく響き渡っていました。

最後は余った時間を使って「フェスティバルFUKUSHIMA!」の話などをして終了。京都はp-hourが参戦するそうで、とても楽しみです。

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