「音楽と演劇の年賀状展」クロージングイベント at 梅田OZC GALLERY+CAFE (Osaka)

この日は梅田OZC GALLERY+CAFEで行われた「音楽と演劇の年賀状展」のクロージングイベントに行って来ました。

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僕も視聴会の年賀状で参加させてもらったものの、結局会期中には行けず、会場前にずけずけと上がり込んで眺めていました。クロージングに合わせて年賀状の位置を目線より上に上げていたので細かいところまでは読めませんでしたが、遊び心溢れる年賀状の数々を見ていると、学生の頃の友人から届く年賀状を思い出しました。会社員になり、味気のないテンプレート使用の年賀状ばかり届く今の僕には、少し懐かしい風景でした。

10分ほど押してから開場。外の階段には行列ができており、早いうちから場内は人でいっぱいに。皆さん、なかなか席に着かず、しばらくは天井から吊るされている年賀状を眺めていました。

お餅の焼ける匂いが漂ってくる頃、オープニングのリュクサンブール公園が演奏を始めます。5人のアコーディオン奏者+パーカッション一名という編成で、名前に違わぬフレンチテイスト溢れる演奏を、まったりとしたMCを交えながら軽妙に披露。年始にふさわしい、せかせかしないゆるりとした空気と、目の前で生き物のように動く柄のついた蛇腹の様子が大変心地良かったです。

演奏が終わって間も無く、子供鉅人の芝居が、学生風の男女二人が突如飛び込んでくる、という形でスタート。小さなコタツを使っての、荒唐無稽・抱腹絶倒の展開に場内大爆笑。名前だけは随分前から聞いている劇団でしたが、これは観に行かないとですね。腹抱えて笑いました。

続いては、坂口修一による一人芝居。力強く“いい声”で語られるシニカルでブラックなショートストーリーのリーディングと、拙いウクレレ演奏での弾き語り、かなり長めのMC、という、音楽と演劇の中間辺りを突いたような内容は、このイベントのコンセプトを最も体現していたように思います。

少し時間を空けて、子供鉅人の、今度はかなり毒気の強いコント(こういうものが音楽と同居しているイベントというのが実に面白い)が終わり、ラストは三田村管打団?

蓋を開けるまでどんなメンツか分からない同バンドですが、この日のメンバーは、亀井奈穂子(cl)、武田裕里子(cl)、澤井まり(alto sax)、森本アリ(tp)、廣田智子(tb)、不動翔子(tb)、吉野竜城(tb)、河村光司(bariton sax)、塩田遥(tub)、光田臣(ds)の10人。スペースの都合でドラムスは大太鼓ひとつと手持ちの小さなシンバル。河村は珍しくバリトンを吹き、トランペットは一本。そして、池田安友子のいない管打団も久々に観ましたが、“キネンジロー”の「ちーちきちーちき」というお馴染みのイントロをメンバーが口で言ってました。

一曲目が始まった途端に、正に虹色に染まるような“陽の空気”が満員の会場内に溢れ出し、お客さんもメンバーも終始楽しそう。初見の人も多かったようで、この日のライブをきっかけにファンになった人も少なくないはず。最後は、ここ最近レギュラーメニュー的に復活してきた“山科音頭”で終了。管打団の演奏する曲の中でも、図抜けて好きです。

イベントは18時にスタートし、21時20分頃には終了。始まりも終わりも、急いで入るもなく、慌てて帰るでもない、ちょうど良い時間でした。普通にバンドが4組出ると、どうしても転換に時間がかかってしまうところを、演劇と組み合わせて上手く繋いでていて、それでいて詰め込み過ぎたような慌ただしさも無い絶妙なバランスで、最後までじっくりたっぷりと楽しむことが出来ました。

元々音楽と演劇は相性が良いはずなんですが、演劇だけでイベントをやると「中之島演劇祭」のような、フェスの体を成していないものになったり、演劇畑の人が音楽イベントをやっても、演劇ファンだけが集まる閉じたものになってしまったり、今いち面白い混ざり方をしていないな、という感覚がずっとあったんですが、ようやく、どちらからもお客さんを引っ張り込める、「混ぜるのが上手い」キュレーターが登場したな、という感動がありました。

今後、こういったハイブリッドなイベントがどんどん増えてくると、すごく面白いことになりそうだなぁ、と思いながら、吹きすさぶ雪の中、帰路に着きました。

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!! 三田村管打団?

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