サイケ奉行 / ADIOS DIOS at Namba BEARS (Osaka)

この日はNamba BEARSにサイケ奉行とADIOS DIOSを観に行きました。

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サイケ奉行は、津山篤による、曰く「時代劇とサイケの融合」を具現化したバンド。それだけ聴くとおちゃらけ茶番ミュージックかと誤解されかねませんが、実際は70年代のハードロックやユーロプログレ(時折初期フロイド風)、時にザッパ(主に「Hot Rats」辺りのフュージョン期)を彷彿とさせる骨太の演奏。

このバンドが凄いのは、須原敬三、西滝太、砂十島NANIという強豪を集め、しかも彼らが誰ひとりとして裏方に回ろうとせず、ガンガン前に飛び出し、自己主張しまくるというところ。

ドラムスはいきり立ったアタック音で威嚇しまくるし、キーボードは両手がものすごい勢いで鍵盤の上を走りっ放し。ベースだけは堅実に演奏している……かと思えば、要所要所でグルーヴィなフレーズを挟み、グイグイとバンドのテンションを高めていきます。

そして、このバンドではギターを弾く津山は曲の間中、ハードエッジで恐ろしく格好良いリフを刻む以外は、それこそザッパの如く延々とソロを弾き続けます。このソロがまた、全編ハイライトと言いたくなるほどの名演奏。こんなに「聴かせる」ギターソロを弾く人だとは思いませんでした。

まあ、もちろん、というか、途中リコーダーを唐突に吹いたり、ギターを置いて傘を使ってのエアサックス、エアフルート(またはエアイアン・アンダーソン)、エアシュノーケル(傘を逆に持ち、柄のカーブしているところの先を口に当て、水中を泳いでるふりしてました)もありましたが。

ADIOS DIOSは、今回岡野太が自前のドラム・セットで挑む気合いの入れよう。しかも、前回無かったチャイニーズゴングも登場。これを、ドラムスのブレイクの際に「ごぉぅん」と鳴らすことで、ヘビィな音楽と相まって効果的に演奏を盛り上げていました。

バンド自体は、前回聴いたよりもドラムスはやや軽く感じたんですが、サイケ奉行の時の砂十島NANIの音圧が強過ぎたせいでそう感じたのかも知れません。疾走感は前回よりもさらに増していたのでは。ギター、ベースは、中心のドラムスと分離したように演奏しているかのようなフレージングをしながらも、バンドとしての音塊のような強靭さは増していました。まだまだ、これからどんどん良くなっていきそうですね。

アンコールで煙草を吹かしながら叩きまくる岡野太が、まるでエンジンが煙を猛然と吐きながら唸りを上げているようで、とても格好良かったです。

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