ケン・スギサキ ライブ[恋する夏の日] at 伽奈泥庵 (Osaka)

この日は伽奈泥庵で行われたイベント「ケン・スギサキ ライブ[恋する夏の日]」を観に行きました。

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ドリンク券でアイスチャイ(メニューの記載は「冷たいチャイ」)を注文。お釣りに100円返ってきました。

この日のトップバッター、ジャニスのカバー「Me And Bobby McGee」で始まったオニは、この日、ご主人(佐伯慎亮)もご両親も大阪にいないとのことで、子守りも兼任。「あじさい」を歌い始めると、息子さん(ケンシロウくん)が猛烈に泣き出して、「もうちょっと歌わしてくれ……」とステージ上から訴えるも泣き止まず、結局知人が外へ連れ出して、ドア越しに泣き声を聞きながらの演奏、という場面も。それでもとっ散らかったり集中力が切れることなく最後まで歌い切っていましたが、心中穏やかではなかったでしょうね。子育てとの両立……身につまされます。

初めて聴いた山本精一のソロは、古い歌謡曲や戦前・戦後の流行り歌のカバー。渚にてを思わせる静かで味わい深い歌声に酔いしれました。

半分ぐらいは知らない曲で、僕が分かったのは「美しき天然」、「夢は夜開く(ボーカルはケン・スギサキ)」、「夢で逢いましょう」でした。吉川豊人がボーカルを取った、クレイジーキャッツの無責任男の元ネタになっているという戦前の流行歌が吉川氏のエキセントリックなキャラとマッチしていて、なかなかイカしてました。

最後にはご機嫌になって戻ってきたケンシロウくんがきゃっきゃとはしゃいでいたんですが、歌い終わると山本氏は「子供には分からんわな」と一言。

ケン・スギサキは、これまで想い出波止場でしか聴いたことがなかったのですが、ハイテンションで絶叫しないケン氏の歌唱力の高さに驚きました。とにかく上手い。さらに、年輪の深さを感じさせる表現力の豊かさ、渋味。厚みのある声と、哀愁漂うヴィブラートが心に染み渡ります。伸びやかに歌い上げる「テネシー・ワルツ」には鳥肌が立ちました。

最後は出演者全員で「コーヒー・ルンバ」、「ドレミの歌」、など。セッティング中にケンシロウくんと遊んでるケン氏に「ケンくん、ライブやろうや。こんなグダグダでええんかいな……」と呆れる場面も。

アンコールも終わり、今日の演目は全て終了……と思いきや、カナディアンのマダムから「山本くん、リハーサルでやってたあの曲やってやー」とリクエスト。吉川氏と二人で「絶対出来へんよなぁ」などとぶつぶつ言いながらステージに並び、「英語の歌やねんけど……」と、さっきまでいた外国人のお客さんがいないのを見て「俺の時、必ずおらへんなぁ(そのお客さんは最初のソロの時も退席されてました)。嫌なんやろな、インチキやから。俺らインチキやもんな(吉川さん頷く)。本格的やから嫌やねん外国人。(自分は)バリバリ右翼やからな」と、ひとしきり愚痴ってから始めたのが、美しいボサノバナンバー。山本氏の弾くボサノバソロが聴きものでした。

さてこれで終わり……かと思うと今度はケン氏を呼ぶマダム。「カナディアンの懐かしいノリやなぁ」と山本氏も楽しそう。

「何か聴きたい曲あるか……って(客に)聞いて、言うたためしが無い。なんか言うてみい。言えっ」と客席に向かって指差す山本氏。「ヨイトマケを」とのリクエストにも「丸山明宏か……なんか通ぶってるな」とご機嫌毒舌モード。

原曲とは一味違う哀愁をはらんで朗々と歌い上げるケン氏に続いた山本氏は、「どかーたーのためーなーら、在日ーのためーなーら」と適当に歌い始め、「朝鮮そーれんそーれん」と何故か「ソーラン節」に変わり、「テポドーン飛んだとかもめーに聞けばー」と、もう無茶苦茶。

「規制かかるわ」と、飽きたところで適当に締め、曲は山本氏のファンキーなギターリフに合わせてハードにアジるケン氏、という格好良い即興演奏に。

いよいよ終わり……と思いきや、「最後、吉川くん」とまたもやマダムのリクエスト。「もうええってぇ」と嫌がるも、結局ステージに戻り、山本氏曰く「もう30年ぐらいここでやらされてる」という「Iko Iko」を熱唱。

……これで、ようやくお開きとなりました。この調子であと1時間ぐらいやってほしかったですけどね。

マイクが頻繁にハウったり、子供がはしゃいでグダグダになる瞬間があったり(山本氏もちょっとピリピリ)と、完璧とは程遠かったですが、シビアに仕切られたイベントには無い、人間の襞に触れるようなゆるいアットホーム感を楽しみながら、沢山いい歌が聴けて大満足でした。
それにしてもケン氏の歌は本当に素晴らしかった。この日はやや身内色の強い客層だった(要するに少なかったんですが)ので、ケン・スギサキという人を先日の想い出波止場で初めて観たという僕のような人たちに、もっと聴かせて欲しいものです。

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