菊地成孔ダブ・セクステット at CLUB QUATTRO (Osaka)

この日は心斎橋クラブ・クアトロ菊地成孔ダブ・セクステットを観に行きました。

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久々の関西でのライブでしたが、その間にアルバムを二枚挟んでいることもあって、音楽的な変化も感じられました。

1曲目の「Dub Liz」から、以前よりもさらにダブエフェクトが強調され、終始バンド演奏の中心で蠢いているようなディレイサウンドがバンドの核になっている、という印象。月世界と違って、音がダイレクトに響いてくるクアトロの音響の効果もあったのかも。

各パートの演奏も、ダブマナーに従うように、ソロ中のバッキングがベースだけになったり、パードン木村の鳴らすリズムに合わせてソロを取ったりと変幻自在。「AAAL」での、ベースのみをバッキングにサックスとトランペットが掛け合いのソロをとるところは、この日のハイライトのひとつでした。

パーマをあてた髪をオールバックにし、口髭を蓄えた菊地氏の風貌はマイルス風と言えなくもない感じでしたが、バンドの演奏も、以前のストレートで肉体的なものからディープでストイックな世界へ沈み込むような、言わば「60年代マイルス黄金のクインテット」の辿った進化の道をなぞらえているかのようでした。

ライブは、曲の最後をマイルスがアコースティック期に好んで演奏していた終演のテーマになぞらえたかのようなアレンジで締めくくった「(I’ve lost my) Taylor Burton」で盛り上がりのピークを迎え、続くラストの「Dub Sorcerer」へ。爆裂するダブで飛ばしたドラムソロという、クインテットの頃からのパターンで一旦終了。

アンコールに入ると、お馴染みの長めのMC。「早く終わらせてビヨンセ観に行かなきゃ」といったサマソニネタ(丁度サマソニの日と被っていたので)や「今演奏中に捕まったから」といった酒井法子ネタ(結果としては、「終演後に逮捕」でしたが)などの「口から出任せ喋り」で笑わせてくれました。

そしてラストはスタジオ盤とはアレンジを変えた「Monkey Mush Down」。ハンドクラップの入ったヒップなアレンジが印象的だったオリジナルよりもジャズらしい演奏でしたが、適度な軽快さとメロディの親しみ易さは維持しており、アンコールにはぴったり。

これでアンコールも終了。客電も点きましたが拍手は鳴り止まず。しばらくすると、スーツを脱ぎ、すっかり私服に着替えていた菊地氏が三度登場。軽く喋って盛り上げ、ようやく終演と相成りました。

ダブ・セクステット初の大阪公演は、客の入りも上々、フロアも盛り上がり、演奏も素晴らしく、大成功だったのではないでしょうか。

<セットリスト>
Dub Liz
Susan Sontag
AAAL
Orbits
(I’ve lost my) Taylor Burton
Dub Sorcerer

〜アンコール〜

Monkey Mush Down

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