PARA at 得三 (Aichi)

この日は今池の得三にPARAを観に行きました。

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得三は、綺麗な内装のハコでありながら、磔磔のような吞み屋風の雰囲気……というか、実際、ライブ終了の22時以降は朝まで吞み屋、その他カラオケ大会やったりしてるところをみると、磔磔よりもさらにベタな感じで、ブッキングの濃さだけでなく、そんなところも魅力的。開演前に、キムチチャーハンを食べました。

開演時間から10分ほど過ぎたところで、竜巻太郎が登場。以前観た時はセッションでしたが、この日はソロ。打ち込みのシーケンスに合わせてのドラムソロ、という、ありがちなドラマーのソロ・パフォーマンスではありますが、同じことをやっても叩くのは竜巻氏。やや平易な前半から、マリンバを取り入れた辺りからテンションを上げていき、他を圧倒するパワードラミングで得三内の気温と湿度を徐々に高めていきます。

ラストは、何かシーケンスが鳴り始めるのを止め、簡単に挨拶のMCをしたかと思うと、バッキング無しの純粋なドラムソロ。これぞ真骨頂、というような、猛獣が野に放たれたかの如き恐るべきドラミングが大爆発。筋肉を隆起させ、怒号を上げながらガンガンぶっ叩く様はまるで怪物。フロア中から大きな歓声が上がり、約40分ほどのパフォーマンスは終了。見せ方にもう少し工夫が欲しいところもありますが、やはり凄いです。

PARAは約2年ぶり。その前に観たのが約5年前だったんですが、その間にサウンドが大きく変化していて、昨年は新作もリリースされ、今はどんなライブをするようになってるんだろう、と思いながら、なかなか観る機会に恵まれず。今度の京名阪のツアーもまた見逃しそうだったので、夏期休暇を一日前倒しにして名古屋まで観に行った次第ですが、いやぁ、観に行ってよかったです。

メンバーそれぞれの音のレイヤーがユニゾンで同期したり一拍ずらしたりしながらミニマルに進行するサウンドは、クラシック音楽的な緊張感、プログレやフュージョン的な肉体性とポップさを醸し出しながら、エネルギーは間違いなく「ダンス・ミュージック」。自分がフォーカスするプレイヤーの音によってノリやビートが変化する面白さは、DCPRGほどの複雑さがない分、入り込み易く抜け易い。この、入ったり抜けたりする面白さは反復ビートのシンプルさと、ギター二人、キーボード二人、という編成を中央のドラムスでシンメトリー構成することによる音の鮮明さによるものでしょう。この辺りのオーディエンスへの発信の仕方も見事。

アンコール含めて1時間半。立体視の映像を観ているような感覚を覚える彼らのパフォーマンスは、同様の高揚感とともに消耗も激しく、これだけの時間でも、かなりたっぷりと観た感覚があり(実際、それまではイベント出演でしか観てなかったので、これだけ長く観たのは初めてでしたが)、大満足でした。

それは各メンバーにも言えることのようで、終演後、フロアにテーブルが並べられ、打ち上げ会場に変貌する中、お客さんと楽しそうに話す姿、特に、物販コーナーで売り子もせずに満足げに飲んでいる千住氏のさわやかな笑顔が印象的でした。

この高い完成度を誇るバンドサウンドを、これからどういう方向に持っていくのか、もしくはこのまま維持し続けていくのか。今後の展開がどうなるのか、楽しみですね。

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