この日はムジカジャポニカで行われたイベント「夏のあくび」に行ってきました。
会場でかみおと最新号を入手、ムジカ名物のカレーを食べながら開演を待ちます。お客さんも徐々に増えていき、最後には会場内はかなりの密度に。
トップバッターのちんぷんかんぷんは、「夏のあくび」というタイトルにふさわしい、夏の昼間にゆったりと流れる時間のような、穏やかで叙情的なフォークソング。こういう音、大好きです。
普段はギターとベースのデュオらしいですが、この日はエレキギターとピアノを加えた4人編成。ファズのかかったギターソロと軽やかに響くピアノが音の厚みと広がりを作り出し、シンプルな編成なのに、音響にスケールの大きさを感じました。
仕切り直しになった「Meeting Point vol.6」に出演されるようですので、是非観に行きたいです。
続いてのキツネの嫁入りは、以前とうめいロボで金子尚代だけは観ていましたが、バンドとしては初めて。色彩豊かなパーカッション、アコーディオン、ギターをつま弾きながら訥々と歌うボーカルが変拍子の上で鮮やかに絡み合い、独特のエキゾチックなムードを生み出していました。決して借り物では済ませないオリジナリティ溢れるサウンドにすっかり引き込まれてしまいました。
メンバー同士のインタープレイ、それも、丁々発止、という感じではなく、様子を伺いながらキャッチボールをするような絶妙な距離感による掛け合いが有機的で、そんな一体感と緊張関係が、心地よい立体的な音像を生み出していて、ちんぷんかんぷんとはまた異質なスケール感を生み出していたように思います。
MCで、このイベントの企画者・なしをさんの実名「鈴木大輔さん」を連呼しまくっていて、会場の皆、彼の本名をすっかり覚えてしまいました。
彼らも「Meeting Point vol.6」に出演されるとのこと。楽しみです。
トリ前の吉田省念と三日月スープは、音曲漫才風の挨拶からリリカルでフォーキーなナンバー、かと思えば奇天烈なおとぼけソングにドロロンえん魔くんのエンディングのカバー……と、とにかく楽しいライブ。無理に例えると、トクマルシューゴの関西煮、といったところでしょうか。これはかなりクセになりそうな音楽です。トランペットの女性が、ものすごくチャーミングでした。同じムジカで、ショピンとの対バンがあるようですので、これは行った方が良さそうですね。
そしてトリは、前野健太とDAVID BOWIEたち。
前回観た時はムジカでの弾き語りでしたが、この日は関西初のバンド編成での出演。貫禄すら感じさせる前野氏のパフォーマンス/歌に、しっかりボトムを支えるベース、パワフルに盛り上げるドラムス、そして、千変万化のフレーズを弾きこなす二胡。特に、時にドローン、時にキーボード、時に激しくソロをかき鳴らすギターのように様々なアプローチで音の厚みを生み出していた二胡が素晴らしく、二胡という楽器にこれほどのポテンシャルがあるのかと感動しました。
歌ももちろん素晴らしく、「鴨川」、「マン・ション」と大好きな曲も聴けて嬉しかったし、「友達じゃがまんできない」〜「ロマンスカー」への流れは鳥肌ものの格好良さでした。エレキギターを爆音でかき鳴らす前野氏も良いですね。
本当にどのバンドも素晴らしく、ムジカのハコの雰囲気や梅雨と夏の狭間という時期にもピッタリな、とても楽しい一夜でした。
一見派手さは無くても、シンプルでいて味わい深い上質なイベント、ってなかなか難しいと思うんですが、この日はまさに「中身の濃さ」で客席みんなの気持ちにしっかりと満足感が残る、そんなイベントだったと思います。
さみしいだけ | |
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はじめましてこんにちは!
本名を知られた上でこう名乗るの、もの凄く恥ずかしいのですが
『夏のあくび』の主催者のなしを。です。
検索で見つけてしまいました。
(たぶんですが、おとうた通信さんの会議であったあのお方ですよね)
お越しいただき、そして素敵な感想を書いて頂きありがとうございます。
僕のイベントブッキングはいつも「独特だ」と言われる事が多く
自分ではしっくりきてるつもりなのですが
変かなー?と心配によくなっていたので
書いて頂いた文章で大変救われました。物凄く嬉しかったです。
なんというか報われました。笑。ありがとうございます。
また今後も懲りずになにかしら催して行こうかと思います。
またどこかでお会いできる日を楽しみに。
突然、長々と失礼しました。
コメントありがとうございます。おとうたさんの会議でお会いしてたのに、ムジカ前でお声かけていただいた時に顔を思い出すのに時間がかかった無礼者です(笑)。
本当に、めっちゃ楽しいイベントでした。会場の雰囲気からもフライヤーなどに書かれたなしをさんのコメントからも、音楽に対するあたたかいものが伝わってきて、とても幸せな時間を過ごせました。
是非またどこかでお会いしたいです。ありがとうございました。