想い出波止場 at Shangri-La (Osaka)

この日はShangri-La想い出波止場を観に行きました。

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「想い出波止場ワンマンコンサート」と題されたこの日のライブ。前日の名古屋は「想い出波止場ワンマンライブ」、ラストの東京は「想い出波止場ワンマンGIG」と、少しづつタイトルを変えていますが、どうやらどの日もバンドの編成が若干違うようです。

1時間以上遅れての開場にめげそうになりながら、物販で旧譜と会場限定のCD-R(「大阪・ラ」のアウトテイク集だそうです)を購入。山本画伯直筆のイラスト(今回のツアーのチラシの裏に描かれていました)も入手しました。

会場内で、さらに1時間以上待ち、ようやくの開演。ステージに大きく映された「想い出波止場」の文字、そして、その下に小さく「from osaka」。

ドラマーには、なんと砂十島NANI。叩き方だけでもそれと分かる強靭かつ破壊力抜群のドラミングが、強力なバンドの推進力となっていました。

想い出波止場のライブは2004年以来で、未だ全作品を聴けていないので楽曲がほとんど特定できませんが、一応全体の流れを。

冒頭壮絶な電子音とノイズに耳を圧迫され、奇天烈高速変拍子ナンバーで圧倒したかと思うと「ごめんねぇ」と山本氏の気の抜けたMC。続いて、ゲストドラマーとして一楽儀光氏が加わっての激烈に格好良い歌もの変拍子(歌は吉川豊人)。今までありそうになかったツインドラムの組み合わせに、興奮せざるを得ません。

続いてドローンのような曲に入ると、アブストラクトなツインドラムの掛け合いの続く中、山本氏はステージを何故かケータイ片手にウロウロ。途中吉川氏のボーカルとの掛け合いのようなリズム展開を見せながら、ゆったりと終了。

静まり返った会場の中、山本氏の力ない「わんーつーわんつーすりーふぉー」というカウントでリズムが入り、一回グダっとしたかと思うと、NANI氏のハードなスネアアタックから「日本解散」へ。もう、失敗なのかわざとなのか、境界線が全く分かりません。

打ち込みのリズムとツインドラムのブレイクビーツに乗せて般若心経が鳴り響くナンバーが終わると、「おめでとうございます」と山本氏の謎のセリフ。

ミドルテンポのどんよりした歌ものから、突然フロアを置き去りにするような、ケン・スギサキ歌唱による「ジョニー・B・グッド」のハイテンションなカバー、続いてヘヴィなブルースナンバー「Blues For Turn Table」へ。ブレイクで山本氏が「あーもしもし」と電話に出たり、やっぱり一筋縄では行かないねじれ方をしています。

津山篤がベースからサックスに持ち変えると、でたらめなフリークトーンとコーラスで伴奏をつける「太ッ腹(玉砕ワルツ) 」で小気味よく脱臼。

途中に変拍子や逆回転の入り交じった打ち込みの四つ打ちリズムの曲(include :「東京は夜の七時」)が終わると、山本氏の歌ものミドルナンバー、そして、ツインドラムをフィーチュアした変拍子セクションを経て、また歌ものの「GO」へ。この辺りは、結構普通に良い演奏、という感じ。まあもちろん、演奏能力自体は(バンド活動をほとんど行っていないにもかかわらず)ものすごく高いバンドなわけですが。

「最後の曲です……いや違うか」と言いながら始まる不協和音の痛快な「SHELTER BEERHALL」、そして最後は、激しいNANI氏のリズムを主軸にした変拍子の反復リズムが痛快なナンバー。時折脱臼しながら、四拍子のトランシーな反復リズムのパートを交えながら、後半では一楽氏とのポリリズムが加わりテンションは最高潮に。

エンディングでNANI氏が転げ回りながらドラムセットを破壊して終了。彼のドラムがこのバンドに見事にハマっている、という以上に、元来彼のキャラクターを思えば、このバンドに参加するのも必然と思えるようなパフォーマンスでした。

何故か「STAR TRECK」のテーマ曲を爆音でかけながら退場。アンコールの拍手で一旦戻ってくるものの、ドラムは破壊され、津山氏もベースの弦を引きちぎっていたので、しばしのセッティングタイム。

「毒を食らわば皿まで。どんな目に遭わすか分かりませんので、前の方のインテリの人たちは気をつけてくださいね。なんでみんな眼鏡かけてるんでしょうね。……なんでインテリが来んねん。俺がインテリやからか」などとぶつくさ喋る山本氏。いやあ、おもろい。

そして、ど頭に山本氏が唐突に喉をチョップしながら「ワレワレハ……」とベタな宇宙人真似をして咳き込みながら始まったアンコール。山本氏の「ワンっ」「セブンっ」「33っ」という合図に合わせて、全員がユニゾンで「だんだんだんだんっ」と回数分弾く、というシンプルな曲(と言うんでしょうか)。その演奏に合わせてVJもステージ上に数字を表示してカウントさせていたんですが、VJブース(いつものシャングリラのバーカウンター)でパッドを手打ちしていたのがなんだか面白かったです。僕はVJブースの横で観ていたので、普段はあまり見ることの出来ない映像のライブパフォーマンスを見ることが出来たのもよかったです。アドリブで素材を変えてみたり、演奏をノリノリで楽しみながら映像をミックスしていたのが、いい雰囲気でしたね。

そのVJが、アンコールの手拍子に合わせて手押しでスクリーンをフラッシュさせての二度目のアンコールでは、リコーダーをピロピロと吹く津山氏と、「どすこい、どすこい、すもうとりー」などと歌う山本氏。もう完全に連続バンドの時のような悪ふざけモードです。

二人でハモって水戸黄門のイントロを弾きながら「じーんせーいーらーくーばーかーりー」と歌って、あとは「Happy Talk」のカラオケに合わせて二人で楽しく(「もっと明るくせぇっ」「ミラーボールっ」と、山本氏が妙に威圧的でしたが)歌ってこの日の演目は全て終了……という、何とも言えないアホさ加減。

全編にわたって「謎」「何故」「意味不明」が散りばめられた不条理音楽。ものすごく完璧に構築されているようにも、ただ乱暴にかき集めているようにも見えるセットリスト。実態をはぐらかすかのように一貫性のない演奏。深い意味を持っていて、後にじわりと余韻が残る、というものでもなく、かと言って、面白かった、と気分爽快に帰ることの出来る音楽でもない、あれはなんだったんだろう、と思っても答えが出ずに反芻し続けるしかないような、「不思議な後味」がいつまでも焼き付くような、そんなライブでした。

メンバーは、山本精一(g)、津山篤(b)、砂十島NANI(dr)、一楽儀光(dr)、西滝太(key)、吉川豊人(vo)、ケン・スギサキ(vo)、河村光司(sax, tuba)、という編成だったようです。

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