MAGMA at BIGCAT (Osaka)

この日はBIGCATMAGMAを観に行きました。

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98年の初来日から数えて既に11年。結成40周年というタイミングでの4度目の来日となった今回は、パガノッティ兄弟が抜け、新たなボーカリストが加入、キーボーディストも交代し、さらにヴィブラフォン奏者を伴った新編成。

メンバー:Christian Vander (drums,vo) / Stella Vander (vo,percussion) / Isabelle Feuillebois (vo) / Hervé Aknin (vo) / Bruno Ruder (piano, clavier) / Benoit Alziary (vibraphone, piano) / James Mac Gaw (guitar) / Philippe Bussonnet (bass)

チャーミングで親しみ易い風貌のパガノッティ兄弟がいなくなったのは寂しいですが、オープニングの新曲では、早速新ボーカリストが、大きな身体で仁王立ちしての朗々とした歌唱で幕開け。ダークでヘヴィなリズムを刻む、MAGMAらしいシンプルで力強いナンバーでした。歌唱力は見事で、伸びやかで声域も広く、ステラ、イザベルとの相性もばっちり。

続いてのもう一曲の新曲は、うって変わってメロディアスなクワイアが印象的な、複雑な展開を見せる大作。中間でのキーボード・ソロがやや冗長で、緊張感を欠いていたのが気になるところ。

ここで、ステラによるMC(ステラは今回激痩せしていて、ふっくらとしていて美しかった以前と比べると、何となくやつれたような印象)で、新曲についての解説など。

そして、この日のメインディッシュ「Emehnteht-Re完全版」のアナウンスがされると、ひときわ大きな歓声が上がり、「Emehnteht-Re」の、ドーン、という重くスローなリズムとクアイアの掛け合いで幕を開けます。

「Rindoh」を挟み、人気ナンバー「Hhai」の印象的なクアイアが響くと、会場の興奮が最高潮に。

さらに畳み掛けるように、強烈なテンションを保ったまま「Zombies」へ。もうこの辺りでも鳥肌立ちまくりの血圧上がりっ放しなんですが、ここまでは前回来日時でも演奏されていたもの(「「Hhai」を中心に配したメドレー」というのが、それです)。さらにこの日の「完全版」として書き加えられた新パートでさらにテンションが高まり、とどまるところを知らない高揚感に目眩のするような興奮を味わう至福の時間が続きます。特に、空間を鋭く切り裂くスネアのアタック、ヘヴィにうねるベース、痺れるようなミニマルな早弾きフレーズを繰り出すギターの三位一体攻撃は無敵の破壊力。

壮絶な興奮の中、物語は最後のパートへ。ゆっくりと光が射すような兆しを見せながら、一転、地獄の葬列を見るかのような、おどろおどろしいリズムが永遠と繰り返し、深く沈み行く中、ヴァンデの暗く重い、地の底から沸き上がるような歌唱にて、終幕。

まるで情景が浮かんでくるような展開と、演奏の素晴らしさに圧倒され、場内割れんばかりの拍手と歓声。いやぁ、素晴らしいっ。

アンコールでは、まずステラによるメンバー紹介。新メンバーから順に紹介し、最後のヴァンデで最も大きな歓声……といういつもの展開ではなく、なんと日本好きのジェイムスが覚えたての日本語を披露するというおまけコーナーも。「マグマでは〜わたしはいつも ちこくです〜」と俳句を詠んだり(季語が入ってないけど)、「ちょときいていいですか インフルエンザは、だいじょぶですか」などなど、たどたどしい日本語で笑いを取っていました。ステラのMCもそうですが、来日のたびに、MCの雰囲気が和やかになってる感じがしますね。

そして、アンコールのナンバーは、前回の来日時同様、「Kobaia」、そしてヴァンデのボーカル曲。「Kobaia」は、冒頭から壮絶にリズムを崩しにかかる凶悪なドラミングが圧巻、「Wohst Klaahmeun」とタイトルのつけられたボーカル曲では、氏の歌唱力を惜しみなく堪能できるナンバー。中間では、マイクをソプラノサックスのように握り、指を動かしながらサックスのフレーズらしきメロディを歌っていましたが、これが素晴らしい。低域から中域まで自在にメロディを奏で、後半に行くに従って激しく身体を揺さぶりながら、フリーキーにブロウするような絶叫を絡める「うた」とも「器楽」とも言えないような素晴らしい歌唱法に、すっかり聞き惚れてしまいました。

この日のライブでは、高域がやや苦しそうだったり、演奏中にドラムスティックを落としてしまったりと、やや疲れが見え隠れしていたヴァンデでしたが、最後の最後で、やはり総大将が全部持っていきましたね。

約2時間半、途中休憩も入れず、たっぷりと聴かせてくれた今回の来日公演。密度の濃さにお腹いっぱいな充足感と、もっと聴きたくなる飢餓感がないまぜになるような余韻を引きずりながら会場を後にしました。

過去の偉大なる足跡を、依存するためではなく、この先への発展のためにステージにかけ、40年の時間を大きな一本の幹のようにパフォーマンスするこのバンドの凄さを、改めて体感しました。こんなバンド、世界に二つとないでしょう。

「Emehnteht-Re完全版」のリリース、そして次の来日はいつになるのか。情報の発表を、いつものように、過去の音源を聴きながら、気長に待つことにしましょう。

<セットリスト>(こちらを参考にしました)
1. タイトル未定の新曲
2. Felicite Thosz
3. Emehnteht-Re完全版

〜アンコール〜

4. Kobaia
5. Wohst Klaahmeun

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