DRUMANDARA OSAKA at Namba BEARS (Osaka)

この日はNamba BEARSで行われたDRUMANDARA OSAKAに行ってきました。
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千住宗臣(ウリチパン郡、PARA)、和田シンジ(巨人ゆえにデカイ、DMBQ)、ジジのほっぺたろまん、ぴかちゅう(あふりらんぽ)、岡本陽典(neco眠る)、砂十島NANI(BOGULTA、LETTER)、楯川陽二郎(BOREDOMS)、WATCHMAN(ex.MeltBanana、Lemon’s Chair)、青野忠彦(Suspiria)という、アンダーグラウンドシーンを支えるスター選手たちが集まったドラムだらけのお祭りイベント。2DAYSのイベントで、僕が行けなかった1日目はさらに迎祐輔(オシリペンペンズ)も加わってのパフォーマンスだった様子。

ステージからはみ出してドラムセットが9つ、内側に円を描いて配置され、中央にタムをぶら下げた和太鼓がひとつ。

9人のドラマーが客席後方からぞろぞろと入場。各自のドラムセットに着席し、このイベントの主催者にして店長・山本精一氏が登場。簡単に挨拶を済ませると、早速ドラマーたちに指示を送り、和太鼓の前に三角座り。

初めは、全員がシンバルのみを使って演奏。9人それそれが別々のリズムを即興で刻みます。

10分ぐらい過ぎた頃でしょうか、山本氏が立ち上がり、両手を上げ、メンバーを煽ると、9人が一斉にシンバルを激しく打ち鳴らし、ホワイトノイズのような轟音となって開場を埋め尽くしたところで、大きく腕を振り下ろすと、一気呵成に打ち鳴らされる9人によるブレイクビーツ。

凄まじい迫力です。地鳴りのような轟音に圧倒され、あまりの破壊力に笑いがこみ上げてきます。

いつもはドラム・トリガーなどを使って音を作ったり電子音と同期したりしているドラマーも、全員がシンプルなアコースティック・ドラムを、叩いて叩いて叩きまくる……しかもそのドラマーは、千住宗臣や和田シンジ、ぴかちゅうのような、一人だけでもごはんが何杯でも食えるような天才的なドラマーばかり。もうとにかく、興奮が止まりません。

やがて各自にリズムを作り始め、演奏は次第に各自の個性のぶつかり合いに。

時にはリズムを合わせ、時には向かいのドラマーと掛け合いをし、そこに他のドラマーが混じったり、ぴかちゅうがプラスチックのジョーロや鍋をリレーさせたり(それをシンバルにぶら下げたりぴかちゅうに投げ返したり)と、ノー・ルールのステージ上で壮絶なグルーヴが様々な変化を繰り返しながら生み出されていきます。

間もなく山本氏はステージを降り、ドラマー達だけの完全即興が続きましたが、1日目には彼が中央の和太鼓と手に持った棒を使ってドラマーに指示を送る……という仕組みだったようで、指揮系統を失ったドラマー達は、止まること無く約2時間もの間叩き続けることに。

中盤の初めのピーク、9人のドラムが一方向のビートに集約され、大音量で爆音が轟き、稲妻が走るようなハードなフィル・インが次々と叩き込まれ、開場が興奮のるつぼとなったところで、千住氏が、一向に出てこない山本氏に痺れを切らし、はじめはぴかちゅうに和太鼓を指して促していましたが、彼女も出ようとしないので、自ら中央に立ち、和太鼓をひとつ、力強く打ち鳴らします。

一瞬にして豪雨が止んだような静けさが訪れ、また、じわり、と全員が叩き始めます。

ここからは、千住氏がメンバーに指示を出し始め、短いドラムソロを時計回りに順番に叩かせたり、シンバルの音で繋いでいったりと、前半よりもやや頭脳を持った演奏へと変わっていきました。

そして、まるで計ったかのように見事に9人がシンクロした瞬間、会場内の興奮がまたもやピークに。エンディングに向けて、汗を飛び散らせ、全身を揺さぶり、絶叫し、ドラムセットを壊さんばかりの勢いで全身全霊で叩きまくります。

さしもの天才達も限界に達するかというほどの壮絶な爆音が、長く長く鳴り響き、天井知らずにアガり続けるテンション。

もうこれ以上は無理、と判断した千住氏が、客席で仁王立ちした山本氏を発見し、ドラムセットから離れて山本氏を引っぱり上げ、レッドゾーンを軽く振り切った壮絶なドラムの共演は終了。

山本氏が冗談で「あ、アンコールがあったな」と言うと、NANI氏が「もうええって」のひと言。さすがに、精も根も尽き果てたと言ったところでしょうか。

大阪でなければ集まらないメンツ。山本氏でなければやろうとも思わない企画。ベアーズでなければ生まれないグルーヴ。あらゆる必然性が偶然に集まったとてつもない瞬間。久々に、「とんでもないものを観た」と感激に打ち震えたライブでした。

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