みやこ音楽祭 at FANJ (Kyoto)

この日は京都 FANJで行われたみやこ音楽祭に行ってきました。

この日は朝から強烈な寒さで、リストバンド交換を開場前の駐車場で行っていたんですが、受付奥のフードコーナーやドリンクコーナーもじっくり見る余裕も無い寒さ(スタッフの方も寒そうでした)で、早々に会場入り。

FANJは今年出来た新しいハコで、綺麗で立派な作りでした。こんな辺鄙なところにこんな立派なハコ建てて大丈夫かしらと思うぐらいに。
トップバッターの片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティは、アウェイ感漂う中で、パワフルで切れ味鋭いロックンロールを披露。もっと盛り上がってもいいぐらいの熱いパフォーマンスでしたが、フロアはかなり大人しめ。大半がくるりファンなのか、この日はわりと最後までこんな感じでした。

片山ブレイカーズ終了後、ステージ最前列に移動し、外に出るのも億劫だったので、このまま最後までポジションをキープすることに。
のあのわは、可愛いボーカルが歌うJ-POPという感じですが、楽曲はクラシックっぽいひねりや空間があり、それも、高尚な雰囲気ではなく、あくまでポップなエッセンスとして散りばめられていて、なかなか好感触。今後の活躍に期待できそうです。

ふちがみとふなとは、今まで観てきた中で、最も「ぬくもり」を感じました。聴いていると、身体の中からじんわりと温かいものが湧き出るような幸せな空気が会場を包み込んでいて、最後に「愛さずにいられない」を演られた日にはもう……たまらんです。

セカイイチは悪くなかったですが、初めて聴く人が多いであろう場所で、独りよがりなMCが多かったのはちょっと……という感じ。片山ブレイカーズもそうですが、この日のライブは、オーソドックスなロックバンド系はアウェイ感が強かったですね。

サマソニで観て以来、再度見られる機会をうかがっていたMASS OF THE FERMENTING DREGSは、やはり素晴らしかったです。スカート姿の女の子が、大きく足を開いて髪を振り乱しながらベースギターをかき鳴らす姿は、それだけで感動的なほど格好良いんですが、ベースプレイも破壊的で強力。ギターはジャキジャキでノイジー。サポートのドラマーも二人の爆音をしっかりと固めてフロアに投げつけてくれていました。新曲も結構やってましたね。来年のリリースが楽しみです。

トクマルシューゴトリオは、シャングリラで観て以来でしたが、今回はメンバーが少ない分、それぞれの音へのウエイトが高く、終始心地良い緊張感がキープされていて(それを緩和するような、飄々としたMCが、全体のバランスを絶妙に中和していました)、非常に聴き応えのある、楽しいライブでした。

今まで色んなバンドのいちメンバーとしては何度となく観ていたものの、ソロは初めてのジム・オルークは、エフェクターを繋いだ生ギターでの弾き語り。ステージに持参のランプを置き、全体の照明を控えめにしながら、ミラーボールをさりげなく回していました。

ワンカップを飲みながら歌うフォーキーな曲は、渋い歌と渋いギタープレイ。でありながら、MCはユルい日本語で、ランプの横に置いたぬいぐるみに話しかけたり、曲目を見ながら「お久しぶりです。元気にしてましたか。ああそう」などと会話したりと、茶目っ気たっぷり。

ギターはハードなディストーションで始まった冒頭以外は殆どナチュラルトーンで演奏してましたが、ラストの「Eureka」では、徐々に大きくなるエフェクトの上を、ゆっくりとギターが絡み、最後はディストーション・サウンドと共に混じり合い、うねりながら会場を埋め尽くし、そして、ゆっくりと姿を消す……最後の5分ぐらいは、完全にトリップしていました。

くるりの岸田繁による弾き語りは、彼こそが「くるり」なんだな、と分かる、くるり以外の何者でもない音でありながら、くるりの曲のフォーク的な要素が剥き出しになり、これはこれでくるりと別の活動として定期的にやってもいいんじゃないか、と思える新鮮さも。リハで「さよならリグレット」をチラッと演った以外は殆ど新曲だったようでした。
ラストは「街」。「独りくるり」の可能性を感じさせる名演でした。

相変わらずMCが絶妙で面白いrei harakamiですが、屋内で聴く彼の音は、野外と比べると……という思いが払拭されるぐらい、タイトで厚みがある、アグレッシブな音が響いていました。やっぱり彼の音楽はクラブ・ミュージックなんだな、と実感しながらたっぷり踊らせてもらいました(周囲はわりと棒立ちでしたが)。

今年のみやこは、西部講堂を使わない最初の開催でしたが、良くも悪くも「フェスらしくない」イベントでした。物販やフードコーナーを駐車場の狭いところに押し込むのも無理があり、ひとつのステージだけでバンドが出演するというのも、くるり目当てのお客さんが多いことを考えれば滞留を起こしやすくしていたように思うし、出演アーティストの顔ぶれが「普段関西の小さいハコでやってるイベント」と大差無かったのは、やや面白みに欠け、みやこという名前があんまり意味を成していないように感じました。

反面、外の強烈な寒さとは無縁の会場内の快適さは有り難く、全てのバンドを、テンポよくたっぷり観られた進行の手際の良さも好感触で、十二分に楽しむことが出来ました。

来年、どういった形でこのイベントを続けることになるのか気になるところですが、京都人としては応援したいです。

EXIT
EXIT トクマルシューゴ

Pヴァイン・レコード 2007-10-19
売り上げランキング : 14871

おすすめ平均 star
star音が降ってくる
starやさしい。
star極彩色のソングブック

Amazonで詳しく見る by G-Tools

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください