この日は心斎橋クラブ・クアトロに渋さ知らズを観に行きました。浪切ホールから1年ぶり、前回のクアトロからは2年半ぶりのワンマンです。
開演時間になると間もなく、おちょうし組合の二人が、巨大バナナを振りながら、左右のお立ち台へ。続いて登場したのが、内橋和久氏。なんとここで、内橋節全開のハードなギターソロを披露してくれました。リズム隊のいない、純然たるギター・ソロは初めて聴いたかも。もう、めちゃくちゃ格好良かったです。
ひとしきり弾き終えると、続いてメンバーが一人、また一人とステージに登場し、内橋氏の弾く、即興風のシンプルなテーマに、徐々に厚みを付けていきます。メンバーの中には、前回のクアトロで欠席していた片山広明氏や、こんかいのスペシャル・ゲスト、デビッド・マレイ氏の姿も。
最後にダンドリスト・不破大輔氏が登場すると大歓声が巻き起こりました。
いつもの猫背気味の背中をステージに向けて大きくタクトを振ると、自由に飛び回っていた音たちが一体となります。一曲目、「股旅」のテーマが始まった瞬間、ペロちゃんが不破さんの前にぴょんっ、と飛び出して踊り始めた瞬間、体の中から得体の知れない興奮が放出し、意味も無く奇声を発していました。
内橋氏を含む各メンバーのソロリレーは熱く激しく、後半では全員一斉に爆音を響かせ、ノイズの洪水に。
驚いたのはPAの素晴らしさで、20人近い演奏者が同時に音を出していても聞き分けられるほど綺麗に分離していて、かつ、ダイナミックな音の厚みを殺していない音量、音圧をキープしていました。
音が割れたり団子状態にならない見事な音響バランスの中、曲は「火男」へ。前回クアトロでは、この時点で前方はもみくちゃ状態でしたが、この日はやや大人しい感じ。
「犬姫」に流れ込むと一旦クールダウン。後半のサンバ風のダンスパートで盛り上がり、曲は渡部真一氏の見せ所「We are a Fisherman Band」へ。
ここで渡部氏、デビッド・マレイに「エンヤトット」を伝授し、彼の訛りのある「エンヤトット」に合わせて大合唱。
メドレーで「LION」に繋ぐと、続いては渋さ随一のハードコア変拍子ナンバー「Fight on the Corner」。ここでは、後半でテーマ〜ソロを繰り返す展開になり、内橋氏が弾きまくり、サックスチームが同時にソロを吹きまくり、太田惠資氏は拡声器で絶叫……と、今回の渋さの濃ゆいところが凝縮されていました。
室舘彩氏と関根真理氏のデュエット（＋川口義之氏）「ひこーき」をしっとりと演奏すると、後半は「ナーダム」〜「本田工務店のテーマ」〜「仙頭」という必殺のパターンで終了。最後はさすがにもみくちゃ汗だく。ペロちゃんはお客さんに肩車され、渡部氏はサーフィンクラウドしていました。
選曲だけで言えば特に変わり映えしませんが、それでも全く違う演奏になるのが渋さ知らズ。特にこの日はデビッド・マレイの存在によるものか、各人テンションの高い演奏をキープしていて、ある程度こっちが自制しないと、2時間40分のショウの間中ずっと発狂したように叫び続けて倒れてしまうぐらい強烈なエネルギーを発していました。
不破さんもいつにも増してご機嫌で、バンドに向かって腰を振って踊ってみたり、舞踏のお兄さんにちょっかい出してみたりと終始楽しそうにしていました。
「本田工務店」の中盤では、珍しく思い入れたっぷりにメンバー紹介を始め、最後にペロちゃんを紹介した瞬間、酔っぱらって足下がおぼつかなかったのか、お立ち台から、ステージと柵の間に転げ落ちてしまい、渡部氏と彩さんが若干凍り付いた笑顔で駆け寄るという場面も（帰り際、一瞬足を引きずるような動きをしてましたが、大丈夫だったんでしょうか）。
終演後も、この日のライブがどれだけ素晴らしかったか、そして今後も続けていきたい、という主旨のことを、ややろれつの回らない口調で話していました。
何度も「ありがとう」と繰り返していましたが、ほんとこっちこそありがとうですよ。こんな最高にイカれたバンド、どこ探したって他にいないんだから。
【この日のメンバー：地底新聞より引用】
片山広明／デビッドマレイ／内橋和久／太田惠資／佐藤帆／立花秀輝／鬼頭哲／北陽一郎／辰巳光英／ギデオンジュークス／磯部潤／関根真理／臼井康浩／斉藤良一／ヒゴヒロシ／山口コーイチ／不破大輔／室舘彩／渡部真一／ペロ／東洋／しも／南加絵／すがこ／横沢紅太郎／田中篤史／川口義之／すずきちひろ／その他
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渋さ知らズ
インディーズ・メーカー 2008-11-16 おすすめ平均 |
アニソンといい
やっぱりライブじゃないと!