菊地成孔ダブ・セクステット at クラブ月世界 (Hyogo)

今日はクラブ月世界菊地成孔ダブ・セクステットを観に行きました。

長らくレギュラーバンドとして活動を続けていたクインテット・ライブ・ダブを一端解体し、トランペットを含む実力派若手ミュージシャン達によって再編成された「新バンド」による、関西地区初ライブ。

同バンドのデビュー・アルバム「The revolution will not be computerized」で聴くことのできるように、ライブは「菊地成孔と、主役である彼を引き立てるためのバンドによるスイートな演奏」では無く、各メンバーが均等にインタープレイで火花を散らす、オーセンティックなストロングスタイルのジャズでした。

菊地氏が「ウェイン・ショーター在籍時のマイルスクインテット」をイメージして同バンドを構成し、「E.S.P.」「MILES SMILES」辺りを意識したアルバム制作でしたが、その精神は、ライブでも見事に結実。当時のマイルスクインテットが、時にマイルスがバンドに喰われるほどの勢いを見せていたように、各メンバーのポテンシャルを最大限引き出すような楽曲、アレンジのもと、極めてスリリングな「ジャズ」がステージ上に現出していました。

特にドラムスの爆裂ぶりが強烈で、正にトニー・ウィリアムス的なオーバードライブの役割を果たしていたように思います。

「ダブ」も、今までのように繊細に音をディレイ処理していたものから一変し、ステージ上にダブミキサーを置き、グリグリと音を変形させる、本来の「ダブ」的な過激なパフォーマンスにパワー・アップ。さらにピアノは、坪口氏が自らライブ・ダブを行い、大枠はストレート・アヘッドなジャズでありながらも、アコースティック/生音に留まらない、独特の音響世界を作り上げていました。正直、音響的にはクインテット時の完全制御された空間の方が、より洗練され、完成されたものだったと思うのですが、まあそれはペペの方で極めてもらえればいいかな、と(だからこちらのバンドももっと精力的に活動してもらいたいんですが……祈・来阪)。

クインテットの時にも演奏していた「pinocchio」は、アグレッシブなオリジナル曲の中で差をつけるためか、テーマを限界まで引き延ばした超スローアレンジ。それと気づかなかった人もいたのではないでしょうか。

ラストの「Eighty-One」は、緊張感みなぎる本編と比べると、スタンダードのカバーばかりやって溜飲を下げている凡百のジャズ・バンドのようなアレンジも含めて、かなりオマケ的な感じ。本編が息を飲むようなハードさだった分、逆に息抜き的な(息抜きって選曲では無いですが)扱いなのかな。

「ポスト・モダン・ジャズ」を宣言して始まったソロ・キャリアも、回り回って「ジャズど真ん中」に着地した、という感じですが、ここからどのような進化/深化を遂げていくのか、非常に楽しみです。

(まずは、ライブ盤を出していただきたい……)

The revolution will not be computerized
The revolution will not be computerized Naruyoshi Kikuchi Dub Sextet 菊地成孔

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