Taraf De Haïdouks at ザ・フェニックスホール (Osaka)

今日は、本当はメセニー/メルドーを観に行く予定でしたが、先日の音博で観られなかったのが後になってあまりにも悔やまれてならなかったので、急遽予定を変更して、ザ・フェニックスホールTaraf De Haïdouksを観に行きました。

当日券を求め、開場より30分ほど前にホールのある建物に行くと、表でタラフのメンバーが煙草休憩。楽屋は禁煙だったんでしょうか。

当日券は2階席しか空きがありませんでしたが、ホールは小さなライブハウスほどの広さで、キャパも300人程度という感じだったので、ステージもメンバーの様子もよく見える席でした。

演奏が始まるや否や、あのテープ倍速再生のようなスピードで一糸乱れぬプレイを実に楽し気にプレイ。会場は息を飲む人あり、手で小刻みにリズムを取る人あり、身体をゆらゆら揺らす人あり、と様々(2階席だったので、よく見えました)。一曲終わるごとに興奮気味の拍手が次の演奏が始まるまで鳴り止まず……というテンションが続いたまま、前半の45分が終了。

正に疾風怒濤と言った感じですが、ひとつひとつの音に耳をそばだててみれば、芳醇な音の旨味が迸っているのも聞き取られます。特にテンポを落とした曲では、その艶やかに響く音色に恍惚としてしまうほど。PAを使わないクラシック向けのホールならではの贅沢な楽しみ方かも知れません。愉快なだけではない、過酷な生活や様々な苦労があってこそ出しうるような、哀愁や、総てを包み込むような大らかさが、楽器を通して確実に聞こえてきました。

途中休憩の間、メンバーのいないステージに並べられた楽器を、しげしげと眺めたり写真を撮ったりするお客さんたち。すると、アコーディオンのマリウス(音博のTシャツ着てました。演奏中はアコーディオンを抱えていたので気付かなかったんですが)が登場。ケースに入ったバイオリンを手に、集まったお客さんに向かって何やら解説している模様。すると横手からバイオリン奏者のカリウも出てきて「ちょっと貸してみ」てな具合でひょいと手に取ると、その場で一節披露(勿論超音速)。フルートのゲオルゲも「んじゃおいらも」とピロリロっとひと吹き。いやぁ、こういうサプライズは普通のホールコンサートでは有り得ないから楽しいなぁ。ジプシーならではと言ったところでしょうか。

後半も、更に輪をかけて凄まじいテンション。びっくりするのは、曲の途中で転調したりテンポが変わったりしても、「せぇの」ぐらいの合図だけでピッタリ合わせてしまうところ。演奏中、自分の楽器の音量を大きくしたり小さくしたりする(勿論PA無し)のも見事なコンビネーションで、やはりこの辺り、スキルだけではないバンドの結束力の強さが感じられました。

本編終了時には、プロデューサーらしき人が現れて声をかけて「あ、そうなの」とでも言いたげな顔で退場。何だこの人達、放っておいたらいつまでも演ってくれたんじゃないかしら。

結局この後、2回のアンコールに応え、公演終了。

いやぁ素晴しかった。最高です。あと1時間ぐらい聴きたかったぐらいですが、今回のところはとりあえず、次回の来日を楽しみに待つとしましょう。

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