ASIA at 愛知県勤労会館 (Aichi)

今日は愛知県勤労会館に、オリジナルメンバーが再集結したASIAを観に行きました。

デビューアルバムから25年。ASIAとしての長い活動期間の中ではほんの一瞬だった、最も瑞々しく、この上なく豪華なオリジナル編成は正に「幻」で、10数年前、ASIAに夢中になっていた僕は、パット・スロールがギターを弾くビデオを友人に見せてもらいながら「違う……」と呟き、ブート専門店でオリジナル編成の(音質が劣悪な)ライヴ音源を購入し「これが本物のASIAだ」と虚ろな笑みを浮かべて溜飲を下げていました。

そのASIAが、まさかの来日です。誰一人欠けることの無い、「あの」ASIAが……(リユニオンのロゴデザインがロジャー・ディーンというのも、泣かせます)。

しかし問題は、25年という「時間の経過」です。ASIA結成当時、既に大スターだった彼らが、さらに25年を経たわけで、リユニオンの宣材写真でのメンバーのルックスを見れば計り知れるというもの。一生観ることなど出来ないと思っていたものが観られる興奮と時間の経過への不安が入り交じりながら、京都から2時間半かけて名古屋の会場へ。

客層は予想通り、年齢高めで男子多め。この時代のプログレ系のライヴで見るような層でした。僕ももう若いとは言えませんが、僕より若そうな人が目につかないほど。

愛知県勤労会館は今回の日本ツアーの会場の中では最小かな、という感じで、ステージも比較的狭い感じがしました。14列目でしたが、結構近い印象があったのは、ステージが狭かったからでしょうか。

会場が暗転し、「威風堂々」が流れ始めると、ステージ上のスクリーンには、1stのジャケットのサーペントのイラストが映し出され、やがて客席からの盛大な手拍子に誘われるように、「あの4人」が、登場。

ついに来た……その感動を噛みしめるオーディエンスの気持ちを察してか、鳴り止まない拍手の中、しばらくこちらを眺め、挨拶をするメンバーたち。

そして、スティーブ・ハウがギターを弾き始めたかと思うと、そのリフに大歓声が上がりました。

奇跡のショウのスタートは、「Time Again」でした。

ドラムのリズムに、ベースのリフに、キーボードの戦慄に、昔とまるで変わらないジョン・ウェットンの声に、そしてハウのあの印象的なソロに、目頭が熱くなり、まるで25年前にタイムスリップしたかのような力強く若々しい演奏には、あまりに嬉しくて笑いさえこみ上げてきました。ジョン・ウェットンなんて、僕が大好きで夢中になったボーカリストだったのに今まで一度も観る機会が無かったので、感動もひとしおでした。

その後はもう興奮し過ぎて、曲順は全く覚えていません。1stからは全曲、2ndからは「The Smile Has Left Your Eyes」、「Don’t Cry」、「The Heat Goes On」を。

また、メンバー各人のキャリアを振り返るように、往年の名曲も披露。スティーブ・ハウは「Roundabout」、カール・パーマーは「Fanfare For The Common Man」、そしてジェフ・ダウンズは「Video Killed the Radio Star」(この曲のためにわざわざスタッフがトラメガを用意してあのエフェクトのかかった声を再現しようとしていたのがなかなかニクい)と、代表曲をASIAアレンジ。よく分からないのはジョン・ウェットンの「In the Court of the Crimson King」。いくらクリムゾンにいたとは言え、スタジオ盤に参加してない曲やらなくても。「Starless」とか、UKの「In the Dead of Night」とか。まあ滅多に生で聴けることの無い曲だったし、良かったんですけど。
また、海賊盤でしか耳にしたことの無かったスティーヴ・ハウのアコースティック・ギターでのソロタイムも堪能出来たし、カール・パーマーのドラム・ソロは、往年の勢いを彷彿とさせるほど。というか、往年のプレイなんて生で観ていないので、あの猛烈な手数と緩急つける間もなく突っ走る暴れん坊っぷりは、それはもう痛快痛快。

そしてラストにプレイされた、永遠の名曲「Heat of the Moment」。もう感動で胸いっぱいです。どうしてじいさんになってまでも、あの25年前の瑞々しさが再現出来るんだろう。

名古屋くんだりまで足を運んだ甲斐がありました。全く先のない、極めて刹那的なパフォーマンスでしたが、だからこそ、今何よりも輝く、ということがあるんだということを思いながら、会場を後にしました。

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