坂本龍一 at 神戸国際会館こくさいホール (Hyogo)

今日は、神戸国際会館こくさいホール坂本龍一のソロ・ピアノ・コンサート「Ryuichi Sakamoto PLAYING THE PIANO/05」を観に行きました。生で教授を見たのは初。MCを観ている限りでは、テレビで観る通りの、物腰が柔らかく、どことなくシャイで、それでいて強靭な意思を感じさせる、とぼけた感じと知的なムードがない交ぜになったような人、という印象でした。

開演前、会場内ではエレクトロニカ(多分Alva Noto)がうっすらと流れる中、スクリーンに教授の関わった映画や作品の告知映像(クリッキングフィルム2も流れてました)が流され、やがて開演時間が近づくと、シンプルなタイポグラフィで、このツアーでの使用電力(ステージ、ホールの照明、楽屋、ロビー、更にはリハーサルまで)の数値が次々と表示され、それが全て、自然エネルギーで賄われていることを明示(ロビーにも、「グリーン証書」のパネル展示してました)し、「CO2フリーのコンサート」をアピール。

場内が暗転し、教授が登場したかと思うと、すぐに演奏に入り、「Amore」をプレイ。スクリーンのミニマルで抑制の利いた映像演出をバックに、その後も「/04」「/05」からのナンバーを、ユルいMC(たまに環境問題に触れつつ)を挟みながら、たっぷりと披露。「Energy Flow」を含む上記2タイトルを、世に言われる「ゆるみ系」「癒し系」だとは全く思っていなくて、むしろバンド・アンサンブルで隠れてしまうところのない「丸裸」の演奏は、聴いていると心拍数が上がるような、心地良い緊張感が全編に張りつめていると思っていたし、この日のステージもやはり、和んで聴くようなライトなものではなく、ひとつひとつの音が絡み合う美しさに痺れるばかりでした。特にラストの「Aqua」には、溜め息……。

ステージ後半では、2台のピアノを同期させて「一人デュオ」というスタイルで、アルバムで聴いた時にはオーバ-ダビングだと思っていた「Tibetan Dance」「Riot In Lagos」「+33」「Thousand Knives」を披露。これはもう、ひたすら格好良い。そして、高度過ぎて何が起こっているのか分からない。

本当に、大満足の2時間でした。上記2枚の曲は殆ど演ったんじゃないでしょうか(まさか教授の「戦メリ」を生で聴けるとは思わなんだ……)。神戸が10年ぶりで、ピアノ・ソロ・ツアーが始めてだったという教授、今度は是非、Alva Notoとのデュオでツアーしてほしいです(10年後、とかではなく、来年にでも)。

/05 /05
坂本龍一

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