P-hour 02 at 京都大学西部講堂 (Kyoto)

京都大学西部講堂でのライブ・イベント「P-hour 02」の初日。西部講堂は初めてだったんですが、この会場、とにかく、「熱い」。エキサイトしてるということではなくて、気温が高い。空調がなく、天井から扇風機が風を送っているだけなので、会場に入った途端に、毛穴から途切れることなく汗が吹き出し続け、卒倒しそうになりました。(ステージ上はなんと50度を超えるんだとか)

最初に観たのはSOFT。いわゆる人力トランスなんだと思いますが、この類のバンド、僕にはあまり区別がつきません。全部ROVOの2番煎じに聴こえちゃって……。水分補給に、途中でビールを買いに行きました。

DJを挟み、大友良英ニュー・ジャズ・ビッグバンド・フィーチャリング・カヒミ・カリィ。サックスやギターと共に、笙(雅楽の楽器)やサイン波が渦巻く、フリーでアブストラクトな演奏。酔いが回ったのと猛烈な暑さと相まって、朦朧としました。
そんな中、ゲストで登場したカヒミ・カリィが、目の覚めるような色っぽい浴衣姿で登場。絶えず溢れ出す汗に顔を光らせながらウィスパーボイスで歌うその姿に興奮しながらも、やはり、彼女の起用は失敗だったんじゃないか、とも思いました。こういう、ささやくような歌い方だと、全体のミキシングが命綱になると思いますが、他の楽器と同列のミックスだったので、ブレスの質感も、擦過音も、完全に埋もれてしまっていて、彼女の声の魅力は全然発揮出来ていませんでした。

30分のDJの後、この日のトリ、菊地成孔クインテット・ライブ・ダブ・with UAの登場。この日はバンドメンバーが、スーツ姿、UAは涼しげなワンピースでした。先日のインストアではパードン木村だったライブ・ダブは、ZAKが担当。かなり控えめなダブ処理で、ちょっと物足りない気もしましたが、何といってもこの日の主役はUA。歌っていない時は、まるで子供のように、きょとんとした表情でステージ上をうろうろとしているのが、一度声を発したとたんに会場全体を支配する圧倒的な歌唱力に、終始鳥肌が立ちっぱなしでした。特に「バードランドの子守唄」、「チュニジアの夜」といったジャズのスタンダードは、菊地成孔による物凄くカッコイイアレンジで、これ以上無いと思えるくらいの素晴らしい歌を聴かせてくれました。去年フジロックでUAを観た時は、「バンドのメンバー凄いな」ぐらいにしか思わなかったんですが、やはり菊地成孔のディレクションと身悶えするようなアルトのおかげなんでしょうか。本当に感動しました。菊地成孔も2曲ほど、UAとのデュエットという形で歌っていましたが、正直なところ「臆面もなくよくデュエットなんかするよなぁ」という歌でした。いや、いい声だとは思いますが。歌唱力は、ね。まあ、もともと「臆面なんて無い人」って感じですしね。

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菊地成孔

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